行き止まりか、分かれ道か、

私は昨年4月、社会人になった。
特にやり甲斐のない大学生活に飽き飽きしていた私は、この時を待ち望んでいた。

結論から言うと、大好きな服に携わるアパレル業界に足を踏み込んだ。
夢や希望と引き換えに給与や労働環境が厳しいとよく言われるこの業界。
慎重派な私は大好きなこの業界に憧れながらも、覚悟を決めるまでに様々なステップを踏んできた

まずは大学。
服飾の専門と迷ったが安定した一般的な就職をしたくなる可能性も見据えて、文系の四年生大学へ入学。
次にアルバイト。
服に携わる仕事をするなら販売職だろう、と思っていたので、ただの服好きでなく接客を楽しめるか確かめるべく、セレクトショップで販売のアルバイトをした。

様々とか言ったけど4年で2ステップしか踏んでなかった事はさておき、ここまで確認をした上で自身の意思を尊重し、就活をした。

井の中の蛙すぎた私は周りの子より秀でるセンスも容姿もないけど、自身が思うに実力以上の会社に内定を頂き、入社した。

簡単に言うと、「どこに就職されたか聞かれて〜自慢して〜」と浮かれて思うような会社だ。

私なんかが入れたのは、まぐれだ。
だから、私なんか希望のブランドに配属されなくて当然だ。理想の就職プランが崩れた配属ブランド発表後には、そんな風に自分に言い聞かせた。


配属されたブランドは特別趣向とあまりにもズレてるわけでもなく、人は優しく、この業界にしては安定的な労働環境。

私はむしろ運が良かった、良い環境に恵まれてるし、長い目で見たら働きやすいブランドだ。

そう思い込むようにしていた。


でもその思い込みでは埋まらない何かが、1年ほど働く中で少しずつ溜まり、大きな物体として浮かび上がった。


あんなに大好きな服に囲まれて幸せに働くはずの自分が、何のために働いてるのか分からなくなったのだ。

自分が恐れていた、やり甲斐のない仕事を淡々とこなす自分になっていたのだ。
腐ったのだ。
頑張りたいのに何を頑張ったらいいのか分からない、頑張れない、そんな日々が続いた。


そんな私の1番そばにいる彼は、自分で努力して頑張りたい環境を勝ち取り、邁進している最中だった。
側にいる私は腐ったままが嫌で、踏ん切りをつけたかった。その為に、

私は仕事において何に1番重きを置くのか

原点のここを考えた。
その答えは"やり甲斐"だった。
私は金銭面の安定を引き換えに、大好きな服と携わるやり甲斐のある仕事をしたかったんだ。
そしてもう一つ、これは社会に出てから気づいた事がある。



私は、服が好きな人と大好きな服、この2つに携わる仕事がしたい。

ただ大好きな服と、だけでなく、同じように熱量がある人に囲まれていたい。

この点が、配属された先だと全然叶わなかったからこんなに苦しかったのだ。
この会社とは思えないくらいに熱量がないと感じた。
系統の差や年齢の差、体型の差などの溝があるから仕方ないのかもしれないが、お洒落を楽しむ自分が少し浮くような気持ちになったりもした。
苦しかった。


だから次の場では、この点をぜっったいに重視すると決めた。



店舗、ブランド、会社、業界
様々な移転先を考えた。

今のところ、ブランドを移動する予定だ。
私の欲望を叶えられて、でも程よく安定的な現実的な移動だ。
この希望を通らせる為に、今はこのブランドと環境で、私らしく輝く為に足掻こうと思う。


昔の私じゃ、想像できなかった。
とんとん拍子の人生が崩れる事。
やる気が損なわれる事がこんなに辛い事。
辛い時に適当に見切りをつけて逃げるんじゃなくて、とことんぶつかって足掻く事。
自分が泥臭い事。

沢山の自分に気づけた社会人2年目の始まり。
2年目を折り返す頃、つまりこの移動の結果が出る頃に、またこの続きを書こうと思う。

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