希望的観測

あなたは私が居なくても平気だよね
だから、私は黙って堕ちていく
あなたは私が居なくなっても気づかない
だから私は口を噤んだ
続く言葉は灰の中

焼いてこの骨ごと、粉々に
もう、最初から無かったように

恥ずかしくて堪らない
私なんのために呼吸しているの
その理由を他に求める
その姿勢が気に入らない
そう、醒めた目で言っていた
あの日の誰かの姿が重なる

あなたに見つけてもらえるまで
何とか頑張ろうとしていた
だけど、今朝
雨降る空
にがてな曇のながれる様を
見つめていたら
急に最後のしんがり
折れてしまったよ

あなたに届けなくてはならないものがある
あなたがその
短いと言う人生賭けて探し求めている答えを
私は持っている
私はあなたの為に生まれてきた
そう言っても決してオーバーな言い回し
していないよ
勿論、それだけじゃないけど

だけど胸に抱いてきたプレゼント
あなたの探しているものを
私は持っている
私には分からないけれど、
あなたが私を見つけたら
あなたが勝手に、自ずと
自動的に気づき、受け取る
そういう仕組みに成っている
だから

「あなたに渡すまでは」
それが私の希望だった
あとはもう流れに任せて
あなたが赦してくれるなら
わたしはそのまま
或いは拒否されたならされたで
今よりは幾らかマシな気分に
成っているでしょう

そう思っていたのに

私なんか居なくなってしまえ

この世界は味気ないね
こんな気分に成ってしまった、また
一度は抜け出せたと思ったのに
結局また戻ってきてしまった
堕ちていく感覚が心地いいなんて
あんなの紛れもない嘘だ
本当はしんどくて堪らないよ
此処は息が出来ない
夢もない、あるのはただ
魂の叫び声、怨嗟の嘆き、失望の哀しみ
負け犬の唱える読経と
悪魔の甘い祈りの歌

わかってる
助けられるのは唯ひとり
いつだって本当のヒーローは
私たちの中に居る
その人は不死身
何度殺した気になっても
何度でもカムバックしてくる
私が生きる限り

死んだフリしてその癖まだ息を続けている
死を望むフリをしてそれでも今日をまだ
だらだらとほっつき歩いているのは、ほら
そこにもう答えが見えている
聡明な君ならもうとっくに気づいているはず
怖いなら目をつぶっていれば良い
それでも明日はやってくる
太陽は勝手に昇って
沈めば今度は勝手に月が面を見せる
そのうち寿命も尽きるけど
それまではなんとか
負け戦でも死ねないことは恥でもなんでもなく
寧ろ無様にも生きた方がきっと
エンディングもいくらかマシに成るでしょう
そうしたらきっと
最後の一秒くらいには
私自身の答えもそこに
ちょこんと置いてあるのを
見つけられるはず
今は見えなくても、想像も難くとも
きっと
もしそうでなかったら
最後の最後くらいは
私を褒めてあげよう
私自身を私が自分で
抱きしめてあげよう

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