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『紙一重の戦いは続く』マンチェスター・シティvsアーセナル[プレビュー]【20-21プレミアリーグ第5節】

まえがき

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アーセナルは前節、相変わらず5バックに苦しみながらも、シェフィールドに競り勝ち、連敗を阻止。3勝1敗という戦績で4位。

勝利することはとても難しい相手ではあるが、上位勢のリバプールやレスターなどがジャイキリを喰らい足踏みしていることもあり、ポイントのアドバンテージを獲っておきたいところだ。


シティは、リーグ戦2試合勝利から遠ざかっていてしまっている。

しかし、その2試合を比べると試合内容はポジティブな方向に向かっていると感じた。

5失点を喫したレスター戦から一変して、リーズ戦では、90分間通して全選手が高い集中力を保ち続けて守備を行い、リーズのビルドアップを苦戦させ、走り負けることもなく、強力なリーズの攻撃を1失点に封じた。

ただ少し不安が残るのは、シュート23本の中で、枠内シュートが2本しか無かったことだ。

ミドルレンジからのシュートが多かった印象で、相手の守備ブロックを崩し切れていなかったと思う。

ペップのチームですら抱えるこの問題は、サッカー界永遠の課題なのだろう。

「アーセナルの"5バックに苦しむ問題"も、長い目で見ていかなければいけないなぁ」と思った。

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【シティの懸念材料~小さな小さな綻び~】

CB問題や、低調なパフォーマンスから脱却しきれないメンディなどは、さまざまな所で何回も語られていると思うので割愛。

○ウォーカーのハイボールへの対応

ただの個人的な印象でしかないのだが、右SBのウォーカーは"逆サイドからのクロス"などのハイボールへの対応の時、簡単に裏を取られてしまう傾向にあると思う。

(厳しすぎる見方な気もするが)実際に、FA杯準決勝で対決した試合でも、"逆サイドからのクロス"への対応でウォーカーがミスをしてしまい、オーバメヤンの1点目に繋がっていた。

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また、DFラインなどからの単純なロングボールへの対応時、落下地点の予測を誤ってしまうケースも多いと思う。

ウォーカーとマッチアップするのは、コンディションが心配だが、"DFラインでの駆け引きがうまいオーバメヤン"になるだろう。

アーセナルにとっては大きな狙い目だ

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○主力たちの離脱

ラポルテやB・シルバの復帰はポジティブだが、それをもってしても、まだ気になる。

特にCFは深刻で、ジェズスは長期離脱中、アグエロは長期離脱からやっと練習復帰まで漕ぎ着けた状況。

今ベンチ入りしている本職CFは、臨時(!?)でユースから昇格させている17歳のリアム・デラップただ1人。

また、デラップがペップの信頼を勝ち得ているとは考えられないので、オプションは0トップに限られてくる。

そういった点でも非常に痛いチーム状況だ。


さらにMFのギュンドアンも離脱中。ただ中盤の層は超分厚いので、あまり不安に感じる必要はないだろう。


そして、SB陣のジンチェンコカンセロ。彼らがペップの信頼を得られているのかは定かではないが、そうだとしても今のメンディを使い続けなければならないのは痛い。


【シティが施してくるであろうアーセナル対策】

今シーズンのシティは4-1-2-3と4-2-3-1を使い分けているが、アーセナル戦では4-2-3-1を採用してくるだろう

[理由]⇨ "ビルドアップ面"と"前プレの噛み合わせの良さ"と"アーセナルのビルドアップが4でも3バックでも対応が可能"

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第3節で対戦したリバプールが4-2-3-1を採用していた理由と変わらない。

○なぜ4-2-3-1がアーセナルに効果的なのか?の詳しい解説 ○


【アーセナルがとるべき4231対策~ビルドアップでの工夫~】

シティが4-2-3-1を採用することを前提に、ビルドアップにおける対策案を考えた。

[keyPoint]

⓪ : 4バックへの可変はせず3バックでのビルドアップを採用する。

4-2-3-1との噛み合わせを考えた時、4バックに可変してしまうと、DFラインで数的優位を作れないため、ただでさえ普段より高くなるであろうボールロストの確率をさらに上げてしまうことになる。

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①:CBの配給力

シティのプレスとのかみ合わせ上、(意図的にボールを握らされているためではあるが)CBの一角はある程度の余裕をもってボールを捌ける。

その"意図的に持たされる役"に選ばれたCBには、GKに戻して同サイド圧縮から逃れるプレーや、前線への"中盤を省略したロングボール"の配給、楔を入れるなどのビルドアップの中核的なタスクが求められる。

(こういったタスクをこなせないから"持たせる役"に選ばれてしまっているのだろうけれど…)


②:ダブルボランチの立ち位置

この試合に限らず、ボランチはその立ち位置によってチームの"ビルドアップのスムーズさ"を左右する重要なポジションだ。

その中で、この試合では特に"3トップへの中盤を飛ばす楔"のためのパスコースを空けるタスクが重要視される。


③:3トップ

①・②の内容と重複するが改めて。

特に重要視されるのは、"CBからの楔"をスムーズにレイオフ"WBに預ける"プレーと、DFラインとの駆け引きに勝利しDFライン裏に抜け出すプレー。


④:両WB

①・②の内容と重複するが改めて。

3トップのレイオフで受け取ったところからのプレーが重要。

具体的には、縦へのドリブル(の推進力)や、クロス精度といったプレーだ。



[復習用 ⤵]

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[コラム]                              守備面だと特に、シティは"ハーフスペースを深くえぐってマイナスに折り返す"という攻撃パターンを多用するので、いつも以上に"ダブルボランチによるフロントスペースのケア"が大切になる。


【"メランコ的予想スタメン"とパーティについて】

両チームともメッチャ無難。

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[パーティについて]

マガリャインスは獲得が発表されてから約2.5週間でスタメン起用された。

では、パーティはどうなのだろう。

移籍が発表された10月6日からシティ戦までの期間は約2週間。決してチームのスタイルへの適応には不足するような時間ではない。

ただ、アーセナルのスタイルにいち早く適応できたとしても、ビッグマッチということを考えるとスタメンはないと思った。

だとしても、彼の"ドリブルの推進力""ゴール前での決定力"といった攻撃でのパフォーマンスはアーセナルMF陣で突出しているので、攻撃的なオプションとしてベンチ入りは確実だと思う。


あとがき

ビルドアップ時に"意図的にボールを握らせる役"に選ばれるのは、おそらくホールディングだろう。彼のパフォーマンスはチームを大きく左右する。期待したい。

また、後半はパーティのプレーを見られる可能性が高いと思うのでとても楽しみだ。圧巻の推進力を持った"ドリブルでの持ち上がり"をアーセナルでも見たい。

あとは勿論のことだが、アルテタ/ペップ両監督の采配に注目したい。


最後まで読んでいただきありがとうございました😊


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【画像】https://pixabay.com/ja/

【戦術ボード】https://app.tacticalista.com/

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