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「人生のつくり方アカデミー Vol.1」開催レポート

事務局の鈴木です。

地域で自分らしい事業に取り組んでいるゲストをお招きし、今に至るまでのストーリーをお伺いするトークイベント「自分も地域もどんどん面白くする、人生のつくり方アカデミー Vol.1」を先日開催しました。
その様子を簡単にレポートします。

ゲストにお招きしたのは、遠又香さんと、和田智行さん。

遠又香さん

株式会社Compath 共同代表。
東京都生まれ。15歳のときにアラスカの2000人の村に単身留学。現地でのキャリア教育に感銘を受け、日本の教育をよくしたいと志す。大学時代は高校生、大学生向けのキャリア教育を提供するNPO法人で活動。卒業後は、ベネッセで高校生向けの進路情報誌の編集者として働いた後、外資コンサルティング会社に転職。企業の働き方改革支援や教育系のNPO法人のコンサルの仕事に従事。並行してデンマークのフォルケホイスコーレにヒントを得た“人生の学校“の設立を構想し、2020年4月に株式会社Compathを設立。2020年7月、北海道東川町に移住。


和田智行さん

株式会社小高ワーカーズベース 代表取締役。
福島県南相馬市小高区生まれ。大学入学を機に上京し、ITベンチャーに就職。2005年、ITベンチャーの役員就任と同時に故郷の福島県南相馬市小高区にUターン。東京の2社の役員としてリモートワークで経営に参画するライフスタイルを確立する。2011年、原発事故により自宅が避難指示区域となり、家族とともに約6年間の避難生活を送る。2014年には、避難先から通いながら避難指示区域初のコワーキングスペース事業を開始。その後、食堂や仮設スーパー、ガラスアクセサリー工房、ローカルベンチャー事業の誘致・支援など、住民帰還の呼び水となる事業の創出に取り組む。


当日はお二方それぞれに、以下のテーマに沿ってお話いただきました。

① 何をしている?
② 情熱のタネはどこで掴んだ?いま何が面白い?
③ 最初はどんな不安を感じていた?
④ どうやってアイデアのピースを、自分がのめりこめて、
  周りにも共感してもらえる事業に変化させていった?
⑤ 今向き合っているチャレンジは?


まずはお一人目のゲスト、遠又さん。

社会人5年目でデンマークを訪れた際、
現地の18歳の子に「あなたの考える社会って、会社のことなの?」と問われ、
社会との接点が、自分の情熱を置き去りにして、ただただ働くことだけじゃないと気付かされた、
自分がどうしたいのかを考える大切さを身に染みて感じた、という遠又さん。

現地で、大人の学び舎・フォルケホイルコーレの存在を知って惹き込まれ、旅の最終日に1日かけて事業計画の大枠を書き上げ帰国。

その後しばらくは企業勤めをしていた遠又さんですが、
そのうちにご縁で北海道東川町の農家さんに出会い、事業計画を見せたところ、その方が「いいね、やってみたら」と承認してくれました。
これが大きな転機だったと言います。
「そのときに、これでいいのかもしれない、これ以上はつべこべ言わずに作りながら考えるのが早いかもしれない、と思えるようになった」とのこと。

それでもやはり残る不安。
遠又さんは、その感情を放っておかずに、ちゃんと吐き出してみました。
「食べていけるのか計算をしたり、思いつく不安をポストイットに書き出してみたり。そうすると、案外大丈夫かも、自分が思っていたほど不安も失うものもないかもと思えるようになった」そうです。

どう事業として磨いていったのか、という点については、
「当初は ”日本” の教育をどうにかしたいと捉えていたけれど、それだと解像度が大きすぎた。”東川町” や ”地域” の教育をどうするか、というふうに問いを変えてみたら、しっくり来るようになった」とのことでした。

今向き合っているチャレンジは、Compathで校舎を作ること。
そうして物理的な環境を整備すると同時に、民主的な学び舎として、どう町の人たちに開いていくか、試行錯誤しながら挑んでいきたい!とのことです。


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続いて、もうお一方のゲスト、和田さん。

和田さんの場合は、実家が自営業だったこともあり、
組織に縛られたくない、自分の人生は自分でコントロールしたい、という気持ちが昔から強く、起業も自然な選択肢だったとのこと。
「地域の会社の社長と触れ合う機会があって、社長だって普通のおっちゃんなんだということを感じていたり、就職氷河期を経験したこともあったりで、自分で仕事を作るしかないという意識がありました」

その言葉のとおり、若いうちにITベンチャーの役員として経営に携わるようになり、地元にUターンしたときに迎えた東日本大震災。
放射能に対する知識も少ない中、危険に晒されて、救助もない、物資もない日々を過ごす中で、和田さんの中に芽生えた感情は、"怒り" でした。
それは社会に対する怒り、自分自身に対する怒り、両方です。

お金を日々稼いでいても使うことができない環境に置かれ、自分自身に生きる力がないと痛感。
社会に盲目的に依存してはだめだ、災害が起きようが、パンデミックが起ころうが
生きていける能力を身につけたいと思ったそうです。
「そのとき感じた怒りが原動力になっている」という和田さんは、小高で自分たちで事業を起こす道を選びました。

複数の事業を行うにあたって、その領域をどう定めてきたのかという点については、「地域の人と話をする中で、一つやるとまた次の課題が見えてきました。それと "自分が欲しいと思うもの" を事業にしてきたんです」とのこと。
周りの人が欲しいと思っていることあるいは自分が欲しいと思っていること、そのどちらか常に複数行っているので、一つ失敗しても他にも種があると思えていて、不安はあまりないそうです。

今小高にいて感じているのは、まっさらなフロンティアで事業を作っているという感覚。
最近スタートしたNASAプロジェクトをはじめ、若い人たちと一緒に事業を作っていくワクワク感を感じているようです。

掲げているビジョン「地域の100の課題から100のビジネスを創出する」のうち、これまでに生み出した事業は20弱。あと10年で100にしたい!と意気込みを聞かせてくださいました。


そんなお二人のお話を踏まえ、当日参加いただいたの皆さんからは、以下のような質問が挙げられました。

Q:地域での仕事の定義って?
Q:対話することがどう整理につながるの?
Q:失敗の基準はある?
Q:2人で創業して困ったことはある?
Q:事業の核となる人材とはどう出会ったの?

これらにも一つ一つ丁寧にお答えいただき、あっという間に1時間半が終了。

遠又さん、和田さん、ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
このご縁がどこかに繋がりますように。


「人生のつくり方アカデミー Vol.2」
は11/16(火)19:00〜!
ぜひお気軽にご参加ください!


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