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人と話すと色々思いつく

 継続的に執筆している、リテールテックを作ろうの記事となります。

前回までのあらすじ

 リテールテックを題材にプロダクトを作りたいと考え、ドラフトとしてPOP Analyzerという、ポータブルな画像検知デバイスを考案しました。

 そこで、自分の上司(経営戦略部長)に話を持っていたところ、やりたいことはわかるけどPOPだけじゃね・・・と一蹴。それはそうだと思いながらも、担当者が丹精こめて作った売場の評価はしたいね、というところで一旦落ち着いたところです。また、記事では省きましたが、収益化が見えれば応援してくれる人は増えるから、そこも考えた方がいいという、経営戦略的アドバイスもいただきました。
 一方で、自分の経緯を振り返り、改めて小売愛を実感してモチベーションが高まったところで、更なる企画の立案を進めていくこととなりました。

 今回は、異なる属性の2人にヒアリングを行い、改めて企画をブラッシュアップしていくことを実施しています。

1. 共感者・応援者との議論

ヒアリング者:同期、デジタル企画部担当

 同期でデジタル担当。まさに応援者といえる存在かと思います。

POP Analyzer のnote記事をベースに、
 ■ POPに限らず売場の出来栄えを計測したいこと
 ■ 店舗起点でDXを推進したいとかんがえていること

以上2点を伝えた上で、
 ■ 率直にどう思うか
 ■ 協力して推進したいと思うか

という観点で、30分程度議論いたしました。議論内容については常態で記載します。

問題点

 計測した後何に使うをもっと具体的に詰めないと、最初は良くても使われなくなる未来が見える。これだけでは活用できない。

 店主導に完全に拘らなくても良いのではないか。本社側と連携する方法もあった方が、最終的には効果は出る。

 一方で売り上げ上がらないとかなってくると、本社は賛同してくれないかもな。発信して行くことを考えると、もうひとつ上のレイヤーかもな。

活用方法

 関連販売の測定。部門が複合する催事場で何置くか等

 新入社員教育

 これ意味あるの?シリーズを測定
 年末年始の腰幕、冷蔵ケースの腰幕、関連販売もろもろ

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 誰もが思う。年末年始にこれが売場にある意味って何?

雑談

 " 社内で広めるのであれば、一発目で何を測定するかが重要 "。

 自分の成果が売り上げ以外でも見えることはモチベーションにつながる。

1.を踏まえての考察

 最初はみんな食いつくよねっていうのは共通の感想。もちろんやる気のある人ない人で差はあるだろうけど。少し使われてポイ、では何のために頑張ったのかわからないので、自分のモチベーションのためにも出口戦略はまじめに考える必要がありそう。
 最初は売場をお手軽画像検知できますっていうだけで、いろんな発想から使用方法が生まれていって、コードを書く手が足りません!!ていううれしい悲鳴になるかと思ったけど、初めに使い方と効果を示して触ってもらわないと、ポイされる未来が見えてくる。

 筋がよさそうなのは関連販売。関連販売についてご存じない方に説明すると、例えばサンマの売場やぶりの売場に大根が置いてあったり、焼肉の売場にサンチュが置いてあったり、売場部門の垣根を越えて売場を作成しているのが関連販売となります。

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ローストビーフとアルコール
これはかなりしっかりやってる例

 なぜこの効果を測定したいかというと、関連販売を実施した効果で売り上げが伸びたのか、すなわち関連販売を展開した場所で売れたのかがわからないのです。商品が売れたかどうかは、決まった規格のJANコードで管理しているため、野菜の売場で売れた大根も、サンマの売場で売れた大根も大根としてしか感知できません。
 これは確かに盲点でした。私は関連販売意味ない派だったため、指摘されるまで完全に存在を忘れていました。むしろ、通路に無造作に置かれた関連販売品はお客さまにも邪魔なだけなのでない方がましくらいに思っていました。一方で、豚肉売場の豚汁水煮とか、焼肉売場のサンチュとか、確かに意味がある関連販売もあると思います。それで、意味のある陳列量とか場所とか明確にしたいですね。

 そして更なる盲点だったのが、新入社員教育に使えるということ。私が自分さえよければいいという人間で、教育にかけらも興味がないためなのか、全く考えもしませんでした。
 でも、自分が新入社員で入って売場作ったときに、作った売場を解析して、エンドの前で何人中何人が足を止めて、何人が商品を手に取って等詳細が分かったら試行錯誤のしようもあるし、何よりモチベーションは上がるなと思いました。主要な目的ではありませんが、これにも使えますよと言える気がします。

2. 対象ユーザーとの議論

ヒアリング者:直近まで衣料売場の責任者

 今年の春まで衣料の売場で責任者をしていた彼は、正に売場の立場で意見をくれる人財と考え、ヒアリングを実施しました。

先程のヒアリングに加えて、私が衣料を担当したことがないこともあり、
 ■ そもそも衣料の人たちの抱える問題点を教えてほしい。
 ■ むしろ業務、日々何を気にしているのかも教えてほしい。

という難題も注文しつつ、40分程度議論いたしました。同じく、議論した内容は常態で記載します。

問題点

 実は一番衣料の売場が解決してほしい問題ってレジなんだよね。
 レジにいながら売場見られたらまだましかもしれない。

活用方法

 やっぱりVPの効果は見たい

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VP (Visual Presentation)

 衣料売場であれば、このデバイスでも導線検知できるのでは。
 売場入ってどう歩くかがわかれば。売場作りに活かせる。
 売場単位であれば、一等地のシーズン売場を見たい。
 マネキン買いまで誘発できたら面白い

 これ意味あるの?シリーズ
 値引きタグ

雑談

 VPは絶対に見たい。ただ、VP見た後の行動検知が難しいかもしれない。
 VP作るのはルーティンになってる。
 どれだけ売上につながるかは疑問に思いながらみんなやってる。
 定量化できれば大事なんだということを認識する。徹底度合いも上がる。
 VPの本とか読んでみると、意外とヒントあるかも

 安いのはいい。店間使いまわし案はあり。
 商品部も滅茶苦茶助かるのでは?やはり商品部は共感もらった方がいい。
 チラシとかプロモーションのアイディアは頭の隅に置いておく

 入荷した服をいちいち袋から出してる。大変そう。
 少し本題からずれるけど、サンプルおいて袋で売ってはダメなのか。

2.を踏まえての考察

 やったことないから衣料はやっぱり難しいですね。しっかり考えてVPの効果測定は衣料にとって需要が高いと考えたのですが、上の写真のようにVPの近くに商品があるわけではないので、

VP見る→立ち止まる→商品手に取る→・・・のようなフローを一か所で観測できないんですよね。そうなると、お客さまの売場における動き全体をトレースする必要が出てきて、そんなことできるのか、と思ってうーんという感じです。それでもやはりVPの効果検証はしたい。

 もう少し規模を小さくすると、シーズンの売場を評価するというのは需要があるとのこと。一等地で売るシーズン売場であれば、VPと商品がセットになっていることが大半で、VPを見る→行動を検知するというフローが組みやすいです。

 ただ、現在記事を書いている過程で、食品ほど熱量ないかも、というのが正直な感覚です。自分がやっていなかったから何となく解決はしてあげたいんだけど、実感がわかないという感じですね。
 共感者を少しでも多く募りたいという意味では考察を深めなければなりませんが、一発目測定するネタとしては弱いかもしれません。

結局どうするのか

大前提は以下の2点

魂を込めて作った売場で、今まで見えなかった指標を可視化する
店が自分自身で使いやすいデバイスを提供する

 これがぶれてしまっては、私が作りたいものではなくて会社が作りたいものになってしまいます。
 
たとえ会社がNoと言おうが、自分で突っ走って、どこかの店で自腹で実験して、成果を出して納得させなければなりません。そのうえでやることは以下の3つではないでしょうか。

出口戦略の具体化と候補の案だし
 前回POPは一つの例に過ぎないというフィードバックをいただきましたが、似たような話かと思います。結局何に使えるんだという問いに対して、できる限り多くの答えを出して、汎用性と効果を伝えることで、共感者を増やせないかと考えています。例として。

- 関連販売と陳列量の基準
- 認知度の高いPOP
- 陳列する並び順の最適化
- VPと客導線検知
- 脚を止めるVPの検証

これは随時案を出していく必要がありそうです。

始めに計測するものを明確化
 上記の中から何を一発目の分析対象とするのか。これはわかりやすく効果が今まで見えていなかったけど、可視化する価値がありそうなものが良いかと思います。
 現時点では上でも述べた関連販売ですね。売れていることはわかるけれどどこで売れているのかがわからない。それを明確化することで、関連販売の有用性を検証して、やるなら徹底する、やらないならやらないという風にしたら、現場はどれだけ救われるだろうかと思います。

 検証する商品のJANコードを読ませることで、販売データを拾えるようにして、更にお客さまが籠に入れる動きを検知することで、関連販売の場所での販売数量を推定。一日の終わりに、販売データと自動で照合して、何%が関連販売の場所で売れたかを明確化。
 数日間検証することで、日ごとの売れ数とその時の画像状況が出るから、こんな売り場では売れません、というのが明確になってくる。

 技術的にはできそうですがどうでしょう。

利用するツール
 人と話をすればするほど、独自の機械学習モデルが必要となるのではないかと考え始めました。現時点ではTeachableMachineが濃厚ということになるのでしょうか。

対談一部抜粋


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