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【DIY】 #4 賃貸マンションに防音室をセルフビルド!作業内容を公開!

デザイナー 兼 セルフビルダーのフジイ(@365_works)です。

2020年夏、『狭くてもいいので防音室が欲しい』という妻の一言で動き出したこのプロジェクト。

約1週間かけて自宅賃貸マンションに防音室をDIYした内容を公開します。

仕組みさえ分かれば、既製品の5分の1くらいの予算で製作できるので、
時間と根性さえあれば相当コスパは良いかと! 

自宅に「防音室」はなかなかニッチですが、お隣との「防音壁」と捉えれば、
ご家庭の防音対策に使えると思いますので、参考になれば嬉しいです。


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防音ブースに求められたクオリティ

今回のクライアントは、ソロシンガーでありナレーションなど声の仕事を生業にしている妻。

コロナ禍で、今までのようにスタジオへ行くことが難しくなり、自宅の作業環境を整えようということに。
自宅で録音しデータを納品する「宅録」を以前からやってはいたものの、音質や近隣への音漏れ、音を出せる時間の制限など懸念点が多かったため、今回思い切って専用の「防音室」を製作することに!

主な用途
・歌唱の練習
・歌唱の録音
・ナレーションの録音

設計

防音ブース_アートボード 1

防音ブース設置前の部屋

設置場所は6畳程の寝室の一角。

ダブルベッドを置いて寝るだけの部屋で、出窓、柱がありベッドを壁際まで置けず、デッドスペースになっていた為、このスペースを利用することにしました。

その為、2枚目のラフスケッチのように、出窓を防音ブース内のカウンターとして利用し、横から見ると逆L字型になるように設計しました。

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▼ 設置のイメージ

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防音ブースに掛かったDIYの工程


DIY工程① 壁の骨組みを作る

まずは壁の下地を木材で組んでいきます。

材料
・木材(垂木 W30×H40×L300mm) 22本
・ビス(コースレッド 65mm)

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DIY工程② 遮音シートを貼る

続いて遮音シートを貼ります。
遮音シートは薄いゴム製のシートで、音の振動を遮るよう壁の外側にタッカーというホッチキスの針で貼り“遮音”します。

音とは“振動”なので、内側から発生する音を、
ゴムの壁で吸収し音を遮ります。

材料・工具
・遮音シート 10m
・タッカー

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DIY工程③ 断熱材を入れる

次に壁の中に断熱材を仕込みます。
「断熱材(ロックウール)」は名の通り石の綿で、住宅の外壁の中に入れられる断熱材と同じものです。断熱材ですが“消音”の効果があります。

なぜかというと、声を発するとき、空気が震えることで「音」になります。
しかし枕に顔を埋めて発すると「声が小さく(消音)」なります。

つまり壁の中の震える空気を無くすことで、外に音を出さないようにします。

材料
・断熱材(ロックウール)

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DIY工程④ 石膏ボードを貼る

石膏ボードを貼ります。
防音室の壁材には、材質の“重量”が遮音性に影響があるので、
1枚14.5kgの重さがある石膏ボードを使用しました。

材料
・石膏ボード
・ビス(石膏ボード用ビス 22mm)

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DIY工程⑤ 枠・扉を取り付ける

出入り口の扉を製作。
木材と構造用合板でベースを組み、隙間には壁と同じように断熱材を詰めました。
防音室はドアハンドルが特殊で、グレモンハンドルという密閉機能があるハンドルを使用しなければいけません。
これも自作で作成しましたが、また別記事で書きます。

材料
・木材(垂木 W30×H40×L300mm)
・ドアハンドル
・ゴム製パッキン
・ドア用蝶番
・遮音シート
・構造用合板 厚み9mm

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DIY工程⑥ 照明・コンセントを取り付ける

材料
・LEDダウンライト
・コンセント、スイッチ部材一式
・配線

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DIY工程⑦ 換気口を取り付ける

防音室でネックなのが換気機能です。
音が漏れないように密閉してしまえば、防音性能は高まるのですが
中で窒息してしまいます。
そこで換気口と換気扇を取り付けるのですが、そのまま壁に穴を開けて取り付けてしまえば、音がそのまま漏れてしまいます。

そこで「換気チャンバー」というバイクのマフラーのような“消音設備“を必要とします。
簡単にいうと「防音室⇄室外の空間」の間に、音が徐々に小さくなる通り道を作った上で、空気の出入り口にするということです。
これも詳しく別の記事で記載します。

材料
・換気扇(パイプ用ファン)
・ガラリ(直径100mm)
・構造用合板
・パンチカーペット

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DIY工程⑧ 吸音材を貼り付ける

最後に吸音材を取り付けます。音楽スタジオなどの壁に使われているピラミッド型のスポンジの板です。
これは前述した“遮音”、“消音”につぐ“吸音”の効果があります。

普通の部屋では四方八方を硬い壁・床に覆われているので、
この状態で声を発すると、音が反響して音質が悪くなります。

そこで壁・床に向かった音を、ピラミッドの形で音の方向を散らしたり、
柔らかいスポンジ素材で音を吸収することで“吸音”効果を持たせることができます。

材料
・吸音材(ウレタン製、ピラミッド型)
・両面テープ
・タッカー

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【完成】 DIYで製作した防音ブース

このような工程で、約5日ほど掛けて完成しました。

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防音壁としての使い方

初めに書いた防音“室”から、もう少し簡易的に防音“壁”としての作り方もあります。
それは以前作ったオープンクローゼットのような壁を立て、
ベースとなっている木枠に遮音材、防音材を仕込むだけです。

下のリンクから見れますので、よければ利用してみてください!



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フジイ トモキ / 365 WORKS・代表
(@365_works ) HP:Magazine 365

「家をつくる、日々をつくる」を コンセプトに
住宅リノベーションを デザイン・セルフビルドしています。

主なお仕事
・住宅のリノベーション
・家具の製作
・DIYの相談、手助け

1990年生まれ、瀬戸内→大阪→東京→瀬戸内

▶︎Blog:Magazine 365
▶︎Instagram : @365_works
▶︎Twitter : @fujii365
▶︎Facebook : Tomoki Fujii
▶︎Pinterest : @fjtomoki
▶︎note : Magzine 365

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