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からだは星からできている

2020年11月20日、その日は母親の71歳の誕生日だった。当日は、プレゼントとケーキを持って、彼女の家でお祝いをした。

プレゼントは、

佐治晴夫氏の『女性を宇宙は最初につくった』

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と、健康のためを思ってR-1の箱買い。

この本は母親のリクエストで、少し前から私が佐治晴夫氏の本にハマり、母親にもおススメをしたら、彼女もはまってしまった。
筆者は理論物理学者で科学のまなざしでこの世界を見つめている。感性豊かな語り口調に誘われのめり込んでしまった。

母と娘、女二人でケーキを頬張りながら、昔話を沢山した。私は彼女にかなり過保護に育ててもらった。幼い頃から、様々なものに敏感に反応し、泣いてばかりだった私を色んな刺激から守り通してくれた。
結婚して息子が生れ、離婚して娘に孫がくっついて戻ってしまっても、娘と孫を1セットで貴重品のごとく扱ってくれた。

彼女と昔話に花を咲かせながら、息子は私が育てたのではなく、母や祖母、みんなで育ててもらったことに気づいた。

本来なら、母親と父親が主体となって子供を育てていくが、息子には、私も母も祖母も3人の母親がいたような気がする。その証拠に息子の記憶の中には、3人の女性それぞれの記憶がしっかりと残っている。

3人の女ばかりの中で小学校中学年まで育った息子は、もしかしたら、女はこりごりかもしれない。もしも、この本のタイトル通り、宇宙は女性を最初につくったとしたら、息子は3人の女性を通じて宇宙からの囁きを抱えきれないぐらい聞いてきたかもしれない。

だからなのか⁉︎彼は大学で物理を学び、来年4月には今まで通った大学とは別の大学院理学研究科物理学専攻へ進んでいく。彼がしたいことは、真理の探究で、それが生きていく意味でもある。

科学と宗教。一見全く違う模様のものが見つめるのは、二つとも自然であって、それぞれ探究方法が異なるだけだ。私の側には、科学と宗教を追いかける息子と母親がいる。間に挟まれた私は、両方の話を聞くことができてかなりお得な時間を過ごさせてもらっている。

あの母親でこの娘、この娘であの息子。なんだか点と点が線で結ばれ今ここがある気がする。彼女が母親で在った理由、彼が息子で在った理由、私を取り囲むそれぞれが発する言葉が私の身体に染みていく。

線で結ばれた点を探しに空を見上げ続け、ようやく輝く星を見つけられた。家族関係とはややこしい存在だと思ってきたが、その家族関係という未知なるものも、ここ(地球)で生きていくための星からのガイドなのかもしれない。

そんなことをふと思ったりした。最後にこの本もおススメします。

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『からだは星からできている』

人生を生きていくための方程式を、星が教えてくれる。


えらく長い時間『自立』も『自律』もできなかった私は、母と祖母に沢山の感謝の気持ちを持っている。その気持ちのお陰で、息子に対しては『自立』を遠ざけてでも物理学を追いかけて欲しいと思う。なぜなら、私にはできなかったこと、そして、今一番興味があること、それが自分の存在だからだ。私は物理ができないが、息子は物理ができる。それは、彼の『自律』で選ばれてきた「今」だ。自律ができる分、息子は私よりかなり上出来だ。

真理を知ろうとすることは、自分を知ろうとすることなのかな。

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