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たまに来てくれるんだよ。こちら側に。

明るい場所だった。
暖色のほんのりした明かりに照らされていた。立っている場所の向こう側は広い空間で、人が沢山いるようにも、誰もいないようにも感じられた。

私は、対面式のキッチンに向かっていた。しかも最新式。IHヒーターや、ビルトインの食洗機がある。

右横を見ると二人の妹達。
左横を見ると母。

そこで、忙しく何かを作っていた。

言葉を交わすでもないのに、今どの工程なのか、次はどの道具が必要なのか、全員が分かっていて、次から次に、切ったり、茹でたり、混ぜたり、炒めたり、焼いたりしていた。
四人、阿吽の呼吸だった。

私は、途中から分かってしまっていた。

-ああ、これは夢だ。お母さんは、この世にはいない。

母は、いつもの柔らかそうなサマーニットを着ていて、菜箸を洗っている。まつ毛の一本一本、鎖骨のくぼみまでそこにある。背中に触れると、骨張っていて体が薄いのが分かった。

もうすぐ、目が覚めてしまう。

行かないで。

行かないで。

大好き。

大好き。

って泣きながら抱きしめたかったけれど、口をついて出てきたのは、

「お母さん、しっかりした娘が三人もいると、お母さんが台所ですることって、お箸を洗うことぐらいだね〜」

だった。

母は、にっこり笑っていた。

なんだか、体が内側から光っているようだった。




私は、目を覚ました。




ハトちゃん(娘)と一緒にアイス食べます🍨 それがまた書く原動力に繋がると思います。