ただいま

「たまには、顔を見せなさい」
留守番電話に母の声。
東京に就職して5年、あまり実家に帰って居なかった。
僕は週末を利用して、久しぶりに実家に帰った。
「父さん、たただいまー」
「おう、お帰り。母さんに呼ばれたのか?」
「うん」
「おい、母さん!」
「母さん、ただいま」
遺影の母が、笑顔で僕を迎えてくれた。