パラグアイの小学校の1日の流れ

【子どもたちの1日の生活】

【午前の部】
7:00~8:40 授業
8:40~9:00 休憩
9:00~11:00 授業

【7:00~8:40】
7:00に子どもたちと先生が登校します。ただ、登校時間を守らない子もいるので、7:15までは子どもが少しずつ教室に入ってきます。朝の会などはなく、すぐに授業が始まります。たまに全校集会が20分くらい行われる日もあります。70分間くらい1つの科目を勉強します。そして、1つ目の授業の区切りが良いところで徐々に次の教科にシフトしていきます。この間にチャイムは鳴りません。
1つ目の教科と2つ目の教科が徐々に切り替わる8:00ごろには、全面黒板に2教科の内容が書かれている状態です。(例えば黒板の右側に国語、左側に算数。)子どもたちに関しては、国語の内容をノートに写している子もいれば、算数に移っている子もいる状態です。8:40になるとチャイムが鳴って、子どもたちが教室から飛び出していきます。

↑全校朝会の様子

【8:40~9:00】
 子どもたちにとっては、この20分間が唯一の休み時間です。まず、子どもたちが向かうのは売店です。ほぼ全員の子がおやつとジュースを買います。“メディエンダ“というおやつの時間では、子どもたちは必ずおやつを食べるのが文化のようです。男の子たちはサッカーをして遊んでいます。中には、空のペットボトルをボール代わりにして遊んでいる子たちも…。一方、女の子たちにとっては遊び道具がありません。いつも、おしゃべりして時間を過ごしています。そこで、僕は大繩を買って子どもたちと縄跳びを始めました。今では縄跳びは休み時間の人気の遊びです。

↑売店に並ぶ子どもたち

【9:00~11:00】
 前半と同じように2教科を勉強します。この間11時までチャイムはなりません。10時45分ごろになると、お迎えの保護者で学校がいっぱいになります。11時のチャイムが鳴ると子どもたちは教室から飛び出し、保護者に手を引かれて家に帰っていきます。半分以上の子が保護者と一緒に家に帰っています。また、スクールバスで帰る子も少なくありません。しかし、1人で家まで歩いて帰る子はほとんどいないです。11時になると先生も一度家に帰ります。13時までの2時間の昼休みは家族と昼食をとる大切な時間です。

↑下校時間には保護者がお迎えに来ます

【11:00~13:00】
 各自、家で昼食を食べます。

【午後の部】
13:00~14:40 授業
14:40~15:00 休憩
15:00~17:00 授業

【13:00~17:00】
 午前の部とは別の子どもたちが登校します。先生は午前の部と同じ先生たちです。午後の流れは午前と全く同じです。先生としては、午前と同じ授業をもう一度繰り返すことになります。午前、黒板に書いたことを午後に再利用する場面がよく見られます。17時になると先生たちは残業をせずに帰宅するので、労働時間は1日ちょうど8時間です。それ以上、学校に残って仕事をしている先生は見たことがありません。

【考察】
子どもたちにとって学校に滞在する時間はたった4時間です。滞在時間が短いことで、単純に学校でできることは少なくなってしまいます。しかし、良い面もあるでしょう。滞在時間が短いことで、子どもたちの「学校に対するストレス」は少ないように思います。子どもたちにとっては「学校」は生活の中の小さな一部であり、「学校の友達」はいくつかあるコミュニティの1つでしょう。「学校でうまくいかなくても、僕には別の居場所がある」と思えるのではないでしょうか。「学校生活が自分の生活のすべて」とはおそらく思っていないでしょう。保護者も頻繁に出入りすることもあり、学校は閉鎖的ではなく、流動的でオープンな居場所になっているように僕は感じます。


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