kope'sセレクシヨン:機動新世紀ガンダムX―Human touchなロボットアニメ

おれだ。
おれは年中を通し大してアニメを見てはいないがそれを誰にも恥じる気はない。
だが、今回のガンダム40周年の盛り上がりと胡乱の化身お望月さんさんのガンダム履修宣言(彼のことなのでどこまで本気なのか知れないが)エントリに伴う局所的盛り上がりを見ていてもたっても居られなくなり、この怪文章を投稿した次第だ。

あらすじ/かつて戦争があった


さて今回紹介したいのはほかでもない。「機動新世紀ガンダムX」だ。
どんなお話なのかざっくり言えば「ポストアポカリプス時代のボーイミーツガール」というのが一番簡潔な説明になるだろう。
15年前、人類は地球側と宇宙側に別れて大戦争を演じた。結果、地球上は世紀末と化した。そんな中を便利屋として逞しく生きてきたのが主人公ガロード・ラン、cv高木渉の15歳だ。
彼はある日攫われた少女を取り戻してほしいという依頼を受ける。名をティファ・アディール(かわいい)。
首尾よく彼女を連れ出したガロード。だが様子がおかしい。依頼者は彼女の不思議な力こそが目当ての暗黒非道コーポだったのだ。引き渡しを拒否したガロードはティファの導きに従い大戦時の施設へ逃げ込む。そこで彼は前大戦の英雄的マシンにして地球荒廃の引き金、ガンダムエックスを見つける・・・

というのが一話の大まかな流れだ。
オーソドックスなロボット一話にポスアポとボーイミーツガールがミクスチャーされているのがわかるだろう。

見どころ/月は出ているか

ガンダムX。この物語の登場人物はみな傷を抱えている。それは仲間たちやライバルだけではなく、やられ役の悪党や黒幕たちも例外ではない。
なにせ世界が滅んだのはほんの十数年前なのだ。
ある者は大戦中の行いへの罪悪感。ある者は信頼などない世界で生きてきたゆえの孤独。ある者は自身を無価値と断じられたこと。おのおのの事情と傷に囚われた人々がかかわり合い、影響を与え合い、生きてゆく。
その関係性と過程こそが本作の見どころと言えるだろう。「ガンダム」へのメタフィクションであることばかり取りざたされがちなXだが、素直に人間ドラマとして見ても面白いのだ。

そして本作の主役メカニック、ガンダムエックスに搭載された戦略兵器「サテライト・キャノン」の存在。
一人乗りのマシンに辺り一帯を不毛のガラス原に変えるビーム砲が装備されていたら・・・?本作ではこれを必殺技として描くことはなく、徹頭徹尾過ぎたる力として扱っている。(そのせいで地味とか言われるんだが)
恐るべき力をどうコントロールするか?それを手に入れた者はどうふるまうか?これがガンダムXの人間ドラマの二本目の柱と言えるだろう。

生きるということ。力を持つということ。テーマこそ重いが、好きな子のためにがむしゃらに走るガロードの姿を見ているうち、いつしか応援しながらも励まされている自分に気づくはずだ。

未来へ/希望の灯は消さない

さて、簡単ではあるがどんな作品か伝える事ができただろうか?
ガンダムファンの方はお気づきだろうが、ニュータイプ思想へのアンサー云々、ガンダムとそれが生み出したカルチャーに対するメタ的視点云々はあえて避けて紹介させていただいた。そこも大変強力な魅力ではあるのだけれども。
ぶっちゃければ中だるみや作画のへちょさ、バンクの多さやら微妙なとこも多いが、それを補って余りあるパワを持った作品であるとおれは思っている。
あと主役メカのガンダムエックスと後半機体のガンダムダブルエックスがチョーかっこいい。
月明かりが似合うものにかっこ悪いものなし。

今回はここまでだ。このエントリを読んで少しでもガンダムXに興味を持ってくれたなら嬉しい。ではまたな。

月はいつもそこにある


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