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福袋を買いたい人、買いたくない人の考察

タイトルにつけた「福袋」。

福袋とはなんなのか
をまずは掘り下げてみることにする。


諸説あるのだけれど、
遡ること江戸時代。
元々は呉服屋が
余ったハギレなどを袋に詰めて
販売していたもの。
時折金の帯などが紛れ込んでいたため
それが当たりのようになっていた説。


どうもこれが有力らしい。


現代社会になってこれが形を変え
各ブランドやメーカーごとに
福袋が存在し、
自分のご贔屓のお店めがけて
お正月だけに楽しめる
季節限定の余興のようなもの。


だったはずが、


さらに最近では中身が見れたり
選べるものを販売していて
実に多様化が進んでいて
本来の福袋という軸から
大きくずれている感も否めない。


とはいえ、お店側も
売り上げを伸ばすために
本来の顧客層ではない層を
取り込むための策であることには
違いないだろうけど。


中身を確認して買いたいユーザーには
福袋ではなく
「中身丸見えお楽しみ袋」と改名したものへ
完全に顧客層を分け
誘導したほうがいいと思う。


純粋な福袋ファンからすると
中身が見えてしまっている
「中身丸見えお楽しみ袋」
には恐らく興味はそそられない。


福袋に限らず
見えるか見えないかギリギリのラインや
いったいこの先に何があるのかっ!
のミステリアスワールドに
これまで多くの人類は
魅了されてきた歴史がある。


思ったものが手に入るかもしれないし
手に入らないかもしれない。
そこにロマンがあるのではないのだろうか。


これは福袋に限らず
どんなことにも言えることだと思っている。


いいこともあれば
そうでないこともある。


うんうん、自然の法則。


そして丸見えは美しくない。


先が知りたい
丸見えがいい
全て思い通りに!


そこには何の
インテリジェンスも生まれない
と私は感じている。


ここまで福袋の肩を持つので
バレているとは思うが
そう、私は福袋が好きである。


そして、ここから
なぜ私が福袋が好きなのかを
掘り下げてみることにする。


多分今年の
これを読んでいるあなたにとって、
どうでもいいこと年間ベスト10に
入るかもしれないが
視点を増やすことで
セレンディピティに出会えるかもしれない。


ご存知の方には
すでに周知の事実かと思われるが
「好きなもの」がなぜ好きなのかを
掘り下げていくと
自分の見えなかったくせや
自分の思い込みやパターンも見えてくる。


好きなものを手掛かりに
ご自身の「潜在意識」へアクセスすることも
自分の宇宙を遊泳する方法の
一つではなかろうか。



話を戻そう。


実は子供の頃から福袋が好きで
大人になってからも実に様々な
福袋を購入している。



何かの話の流れで
「私が福袋が好きだ」
と会話の中で議題に取り上げると
必ず質問される事項がある。


その質問とは


中に入っているものが
自分の好きなものじゃなかったり
気に入らないものだったら
どうするのですか?


これ。


私の答えは下記の通り。


私はものが欲しいわけじゃなくて
「体験」が欲しいので
好きじゃないものや
気に入らないものでも全く問題はない。



これをいうとだいたい「?」な顔をされる。
いや、わかってくれる方はわかってくれる。



そう、私は福袋の中に入っている
物自体というよりも
開けた時に
中に入っているものを見た時の
自分から湧いてくる感覚や感情を
楽しみたいだけなのだ。


そのお店の福袋にかけた思いや
詰め込んだ店員さんのセンス
そしてお店の心意気や
お客様に対する思いなど
目に見えない「何か」を
慮って妄想に浸るのが好きなのだ。



それでさらに、
自分の気に入ったものや
好きなものが入っていると
嬉しさ倍増となる。


もし仮にお客様を愚弄するような
全くもってひどい内容だったとしたら
それはそれでお店のあり方が知れて
良いきっかけとなる。



福袋という小さな袋に
小宇宙を感じ
何が入っているかわからないという
お手軽で安全な
インスタントミステリアスを感じているのだ。



だから何が入っているかわかる
「丸見え袋」には全く興味がわかないのは
理解していただけたかと思う。


そう、私は福袋だけではなく
「見えない」「知らない」
「何が起きるかわからない」
という「未知の世界」に
非常に魅せられる習性を持っている。



それがわかったのは
つい数年前のことで
きっかけは過去に
なぜ福袋を買うのか?と
夫に尋ねられたことだった。


(ちなみに
夫は欲しいものを正規ルートで
確実に買う人なので
福袋というアトラクションは
必要ないらしい。)


私は自分に問うた。


なぜ私は
欲しいものが入ってるかどうかわからない
使いたいものがあるかわからない
ミステリーバッグに
お金を出すのだろうか...


その問いがきっかけで
私は自分が


安心したい
安定したい
不安になりたくない


なんて口ではいっているけれど
完全なる
ミステリアス至上主義であったことに
気づかされたという経緯があった。


OMG


未知万歳
不思議大好き
神秘最高
宇宙フォォー。


強い刺激が欲しいわけではないし
法を犯したいわけでもない。


ただ、分かりきったことや
決まり切ったことには全く
興味がわかない。


福袋という存在は
手っ取り早くそういう私の
ミステリアス欲を
満たしてくれるものだったのだ。


福袋という期間限定の
お楽しみ企画から紐解いた
私の深層に眠る欲求や価値観
大切にしている信念は


私の個性を形作る上で
非常に大切な要素の一つとして
しっかり私に認識されているし
なにかを選択する際の基準として
私の中で大きく影響している。


過去に一生安定する職業につくための
王道の道筋をもらったことがあったが
私は何の迷いもなく
断ってしまった。


そこには約束された安定があったのにね。


なぜそれを選ぶのか?
をはっきりと自分の中で
明確に答えられれば
きっと無駄なものや
不必要なものに手を出すことは
減っていくのではないだろうか。



何となく買った
何となく欲しかった
ではなく、
確実にこういう理由で欲しかった!
買いたかった!!!
は、自己肯定にも繋がるし
何より決断が早くなる。


自分の信念や価値観、あり方が
はっきりと自分の中でわかっていると
迷うということもきっと人生の中で
減っていくのではなかろうか
と思ったりもしている。



以上「福袋」でした。


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