パレットに滲む絵の具の黒に似た涙が伯父の遺骨に染みる 春風をふくみふくらむカーテンに包(くる)まる君の顔の小ささ 孫たちがおはじき弾く音を背に船漕ぐ祖父の小さ…
ポッカ
2024年4月30日 08:20
パレットに滲む絵の具の黒に似た涙が伯父の遺骨に染みる春風をふくみふくらむカーテンに包(くる)まる君の顔の小ささ 孫たちがおはじき弾く音を背に船漕ぐ祖父の小さな背中花筏(はないかだ)すら見ぬ伯母の目に留まる桜を描く無心の零時「神様はいるの?」と天を仰ぎ見る子の足元の雀の巣箱最終のバスを逃した我が足をファイトと四度叩くイキシア芍薬を和紙のように透かし見て春陽麗和(しゅんようれい