THE BUSINESS DAY #4 withコロナ時代の働き方に関する「新しいビジネス様式」
4月の下旬くらいから、オンラインセミナーが増えましたよね。通勤がなくなった分、時間ができたので、気になったものにはせっせと参加。結果として、趣味に関係するものも含めると30件以上のセミナーに参加しました。
今日の「 #1000日チャレンジ 」は、その中でもおもしろかった、株式会社メルカリが企画したイベント「THE BUSINESS DAY」をご紹介します。
経営者向けやエンジニア向け、マーケター向けのイベントは数多く開催されていますが、コーポレート系のセミナーはあまり多くありません。機密事項も多いのが理由と思われますが、それでは知見を分かち合う場がない。自社で試したソリューションをオープンにシェアし合える場として企画されたそう。
この記事で取り上げるのは、DAY 4のセッション2に行われた「withコロナ時代の働き方に関する“新しいビジネス様式” ~withコロナ時代の働き方シフトは、ピンチか、チャンスか?~」です。
動画が公開されているので、内容のガイドラインを書いてみます。セミナーでも話しに出ていましたが「倍速でつまみ視聴」もいいかもしれません。記事を読んで気になったところだけササッと観るのがおすすめです。
(セッション2は1:11:51くらいから)
○スピーカー:
・サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久様
・予防医学研究者/博士(医学)石川善樹様
・株式会社メルペイ 執行役員CBO 山本真人
・一般社団法人at Will Work 代表理事/Plug and Play Japan株式会社 執行役員CMO/一般社団法人マーケターキャリア協会 理事 藤本あゆみ様(モデレーター)
目次
各社の取り組み(1:13:10)
コロナショック後、働き方はどう変わったか?(1:21:37)
効果的なオンライン「ブレスト」(1:42:25)
※カッコの数字は動画の分数です。だいたいアバウトにこれくらいな感じです。
1. サイボウズの取り組み
青野さん曰く、「サイボウズだからなんとかなるだろうと思っていたら、リモートになって一番大変だったのは、実は自分だった。昭和の人間のつらさですね。だが、これまで自分に合わせてくれていたものがあったことを知った」とのこと。
2. メルカリ・メルペイの取り組み
これまで対面でのコミュニケーションを大切にしてきたそうで、リモートワークを実施した当初は不安が先行。でも、アンケートをとってみたら8割~9割は業務効率が上がったと回答したそうです。
ちょうどこの日、メルカリとメルペイそれぞれに、新たな働き方についての発表がありました。こうしたトライについては成功・失敗問わず、発信していく予定だそうです。
・生産性最大化を目指した新しいワークスタイル「メルカリ・ニューノーマル・ワークスタイル」のトライアルを開始
・新たな働き方のトライアル・検証をするプロジェクト「merpay work lab」
こうした各社の取り組みを受けて、石川先生が仰ったのは「適応すべき変化を見極めよ」ということです。
3人共にお話しされていたのが、
・「間」がなくなったことによるモード切り替えの難しさ
・雑談が減ったことによる温度感を伝える難しさ
・「ブレスト」でアイディアを積み上げていく難しさ
でした。
実際、わたしもこの3つを感じています。改善できることがあるなら、ぜひ知りたい~!
この後、詳しい話が出てきます。
コロナショック後、働き方はどう変わったか?
(1:21:37)
Q:ピンチにおける中間管理職ならではの悩みや、年次やレイヤーによる「困った」に違いはある?
青野:人間にとって集中できる時間は限られている。ひとりだと集中できるため、仕事ができる人になったように錯覚するが、必ずバーンアウトする。アフターコロナ時代は「セルフマネジメント力」が重要になっていく。
子育て中のパパママへの影響は特に大きかった。小さい子どもが走り回っている中で仕事ができるわけがない。パフォーマンスを発揮できていないことに対するストレスがたまっていると気づいていなかったので、「いまはあきらめようぜ」というメッセージを出して安心してもらった。
山本:最近目立ってきたのは「ひとり」の人。オンラインのmtgを切ったとたんにひとりを実感して、「もっと話したい」「誰かに会いたい」という気持ちが大きくなるらしい。
石川:中間管理職の場合、下のマネジメントはもちろんだが、上の人たちのマネジメントも必要。「社長」という人たちはピンチが大好き。社長に時間ができたことで、上からドンドン仕事が降ってくるようになった。
藤本:「雑談が聞こえない」ことによるデメリットとして、Slackを見れば隣のチームがやっていることは分かるが、関係性や話のトーンがテキストだと読み取れない。そのためにコミュニケーションの取り方が合わなかったことがあった。
石川:食事の時間を決めて、ちゃんととるようにするのも大事。切り替えのチャンスになる。スケジュールの中に先に入れて、残りの時間で仕事するようなタイムマネジメントをする方がよい。
藤本:散歩をルーティンに入れている人がいる。ランチ30分+散歩30分にして、眠くなるのを予防・身体を動かしてから午後の仕事に入るようにしているそう。
Q:リモート勤務になってよかった面はある?(1:36:10)
山本:会議の効率は圧倒的に上がった。
1:内職ができない
→ 会話・チャットなどがマルチで進むので、議論のスピードがアップする。全社会議もインタラクティブに実施できるように。
2:アーカイブ動画を2倍速で見る
→ 以前より多くの人に会議の内容を届けられるようになった。セッティングも簡単でよい。場所の非同期が、時間の非同期を生んだことには可能性を感じている。
青野:いままでオープンにできなかった会議をオープンにできるようになった。
1:ITツールによって新しい雑談が生まれた
→ 社長とのランチmtgを「視聴者募集制」にしたら、70人ぐらい参加してくれるようになった。録画もできて、雑談まで多くの人に伝わった。ITツールによって新しい雑談が生まれているのは面白いと思う。
2:仕事のやり方が変わって効率的になった
→ リアルセミナーや就活セミナーをオンラインに変えたら、参加者が増え、準備も楽になった。
効果的なオンライン「ブレスト」
(1:42:25)
石川:ブレストは1の「アイデアを出しあう」に注目されてきたが、本当は2の「組織の学習が進む」ことが一番のメリット。アイディアが出なくてもやった方がいいという研究がある。
オンラインブレストの…
メリット:参加メンバーの自由度が高い
デメリット:同時に話せるのはマックス4人
<ブレストを観察するブレスト=「メタスト」のすすめ>
参加者を2チームに分ける
↓
Aチームのみで議論し、それをBチームは観察
↓
Bチームのみで議論し、Aチームはそれを観察
↓
お互いにFBした後、最後にアイディアを持ちよって議論
・複数の議論が平行して進むのでメタ視点をもちやすい
・議論の過程を見ているので、合議のときに話が速い
・前半組は「ジャブ」なので、ベタな議論を出し尽くすつもりでやるのがよい
山本:もともとブレストの多い方だったが、オンラインでやったときにフラストレーションがたまった。ブレストにある「アイディアの積み上げ」はビジュアル化されないと、人によってロジックのズレが生じる。いつまでも低いところでもたつく症状があった。
藤本:アイディアを出すことがブレストなのではなく、お互いの頭の中を覗くことがブレストなのだとすると、ビジュアル化やメタ化する効果は大きいでしょうね。
石川:デジタルホワイトボードを使うようになって、「♡」を使うようになった。「がんばろー!!」と「がんばろー♡」はだいぶ違うので。記号を使いこなしてテンションを伝えるのはカギですね。
ツールとしては、青野さんと石川さんはパワポを使用。山本さんはデジタルホワイトボードも使用しているそうです。パワポだと、操作に慣れていない人でも使えるし、そのまま保存して議事録にできるし便利ですよね。ただ、「手書きでグチャグチャ書きながら考えを出したい」時には向いていません。「手書きメモ」の偉大さをあらためて感じました。
まとめ
以上、ざっと概要を書き出してみました。
最初に出ていた課題への提案はこちら。
・「間」がなくなったことによるモード切り替えの難しさ
→ スケジュールを組むとき、まず「間」から設定する。
・雑談を「聞く」機会が減ったことによる温度感を伝える難しさ
→ ITツールをフル活用して、雑談の機会を増やそう。
・「ブレスト」でアイディアを積み上げていく難しさ
→ 「メタスト」のすすめ
石川先生の超おすすめ「メタスト」は、100回近く試して理想の時間配分まで決めたそうです。「やってみたい!」と大盛り上がりしていました。
お話に挙がっていたものからいくつかを、わたしも社内で提案。様子をみながら改善していきたいと思います。
なにかおすすめのソリューションがあれば、ぜひ教えてください!
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