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TKGを究極の美食にする方法 『コスパ飯』 #254

「週末、餃子を食べに行ったんですよ~」と後輩が言ったので、近所においしいお店があるのかと思ったら、餃子県こと栃木県の宇都宮まで行ったのだとか。

「新幹線に乗って餃子を食べに行くの?」

「香港まで飲茶に行く人もいますよ~」

お嬢さま学校に通った後輩の友人は、そうなんだそうです。ああ、わたしはただの食いしん坊であって、おいしいもののためならどこへでも行くというグルメではなかったのだと思い知りました。

感心した方がいいのか、感動した方がいいのか。でも、究極の卵かけご飯のために超高級しょう油を買う方もいるんですよね。

元日本マイクロソフト社長の成毛眞さんの『コスパ飯』に紹介されているのは、究極の「うまい」を手に入れるために情報収集も投資も惜しまない真の猛者の姿でした。

「外食は、おうちごはんを楽しむためにする」と豪語する成毛さん。三越の地下と東京駅の牛丼を4年かけて食べ尽くし、マイ・ベスト牛丼を決めるなど、ハンパない探究心です。

どうせやるならこれくらいやらないと、ということかと読んだ時に思いました。ネタにもなるし、本にもなるし。コレと決めたものを集中して食べ比べるのがいい。

中級ワインを飲み比べたおかげで好きな品種が判明。100本大人買い、なんてこともできるようになるみたいです。

また、「あんこ」に興味がなかったはずの成毛さんは、お気に入りのバーボンと「粟大福」の組み合わせが最高ということを知り、マイ・ベスト粟大福を追求するようになります。お気に入りが見つかれば、今度はその食べ方をあれこれ試す。

高いお店で高級な食材の料理を食べる=グルメじゃない。

たとえばTKGです。「とってもかたいガム」じゃないんですよ。「卵かけご飯」のことです。

成毛さんにとっての卵かけご飯は、しょう油を味わうために存在するのだそう。だから卵にこだわりはないし、ご飯も「サトウのごはん」をおすすめしています。

ただし。

しょう油が普通ではありません。


燻製しょう油、1本2000円!!!


本で紹介されていた銀座の燻製ダイニング「煙事」のショップが品川駅にあったので、本を読んですぐに買いに行きました。試しました。究極のTKG。

まずは「サトウのごはん」をチン。成毛さんは卵にこだわらないそうでしたが、わたしは卵好きなので、ちょっとお高いものを用意。黄身と白身を別にします。

まずは白身だけを湯気を立てるご飯に加え、そしてしゃかりきに混ぜる。いや、混ぜるというより泡立てると言った方が正しいだろう。白身はメレンゲ状に泡立ちつつ、ご飯の熱でほんのわずかに固まろうとする。
ほどよく混ざったところで黄身を乗せる。

たかがTKGとあなどってはいけません。この本気。これこそ、本気と書いて「ガチ」と読むのです。

ご飯をメレンゲにするという初めての体験にとまどいつつ、混ぜます。わりとご飯に抵抗があるので、普通のメレンゲを作る時より力が必要です。アワッとしてきたらたぶんOK。最後に燻製しょう油を回しかけます。

1本2000円。

たった1回で、300円分くらい使った気がする。手が震えてドボッといかないようにご注意ください。

実食してみると。

スモーキーーィィーー

でした。

お刺身に合わせるにはしょう油が勝ちすぎる気がするのですが、チャーハンの最後にちょろっとかけてもおいしかったです。

「マルちゃん焼そば」や市販の「そばつゆ」、コンビニの食材を活用しても「うまい」にたどりつける。

おいしいものに向けて突き進む、ガチな美食家。すべては明日の自分への投資なのです。


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