見出し画像

光を愛する少女と、闇に惹かれる少年の交流が織りなす世界の運命 『空色勾玉』 #501

「隣の芝生は青い」とはよくいったもので、人は自分にないものに憧れてしまう生き物です。

日本神話をベースにしたファンタジー小説「勾玉」シリーズは、そんな「ないものねだり」な子どもたちの交流から始まります。無邪気な憧れは、世界を揺るがす火種になってしまうのか。『空色勾玉』『白鳥異伝』『薄紅天女』と続く物語は、闇と光の闘いでもありました。

『空色勾玉』は、ファンタジー作家・荻原規子さんのデビュー作。この作品で第22回日本児童文学者協会新人賞を受賞されています。

闇の氏族に生まれながら光を愛する少女・狭也(さや)は、巫女姫としての運命をなかなか受け入れることができません。ある日、「輝の宮」を訪れた狭也は、宮の奥深くに監禁されていた少年・稚羽矢(ちはや)と遭遇。光の御子でありながら闇に惹かれる稚羽矢との交流を通して、ふたりは自分を取り戻すのですが、「豊葦原」は……というストーリー。

国家統一を計る「輝」の大御神と、それに抵抗する「闇」の一族との争いを描いているので、日本書紀がベースのようです。続編の『白鳥異伝』はヤマトタケル伝説。そして『薄紅天女』は舞台が奈良時代となるので、ちょっと『ガラスの仮面』の「紅天女」を思い浮かべてしまうんですよね。

やはり天才のたどり着く先は同じなのでしょうか。ホホホ、おそろしい子……!

大人も楽しめるファンタジーですし、神話好きな方にはぴったりかも。

わたしがファンタジーを好きな理由は、「異物」とされるものとの向き合い方が物語の中にとけ込む形で示されるからです。狭也と稚羽矢は異なる部族に属していることもあり、それぞれが運命的に背負った役割もあり、お互いにお互いが「異物」です。

それって、会社や学校での人付き合いでは当たり前のことのはず。なのに、その前提はいつのまにか「同調圧力」によって消えてしまう。普通ではないこと、当たり前ではないこと、常識が違っていること。そういったことを思い出させてくれるところが好きなんです。

ダイバーシティとかポーズだけの看板を建てるくらいなら、ファンタジーを読んで、「異物」との付き合い方を学んだ方がいいよなと思う最近なのでした。

******************************

2019年7月14日から始めた「#1000日チャレンジ」が、昨日で500日となり、今日から折り返しになりました。

パチパチパチパチパチパチパチ!

というよりも、信じられなーいという気持ちの方が強い。日記をつけたり、経済ニュースの勉強をしたり、今までチャレンジしたものは三日も続かなかったんですよね。一年以上続いているものといえば、合気道と息をしてることくらいなのに。

思えば、2019年7月31日の出来事が大きかったのかも。

この日、紀伊國屋書店新宿本店で行われた古賀史健さんと柿内芳文さんのトークイベントに行き、古賀さんにサインをいただきました。そして相談したんです。

わたし「書評を1000本書くというチャレンジを始めたんですけど、アドバイスをいただけないでしょうか?」

古賀さん「今日で何日目?」

わたし「18日目ですね」

周辺の方全員「とおっ!!! 爆!!!」

気を取り直して、古賀さんが仰ってくださったのが、「50日を区切りにするといいですよ。それくらいならなんとかなるかもって思えるから」でした。

実際には50日どころか、「とりあえずこの1週間をなんとか乗り切ろう」という体たらくでヨロヨロ。仕事が超絶忙しい時や海外旅行中は、かなり焦りもしました。腱鞘炎で指が動かなくなったこともあったし。

夜の10時を回って、ようやく会社用PCの電源を落として、「ああああああああ、note書いてなかったぁぁぁぁぁ」と気がついた時の絶望といったら、もう。イベントが終わってから運営メンバーで延々と雑談をして、「おやすみー」とZoomを切った深夜1時半から書き始めた日もありました。

500本の記録は、「誰かのきっかけになってくれたらラッキー」という思いで書いています。広大なネットの海の中で、出会える確率なんてほんのわずかなのですから。おまけにわたしが紹介したコンテンツに興味を持ってもらえるかどうかなんて分からない。だから、どちらかというと自分の頭の整理という気持ちの方が強いかもしれません。

そして実はその日ごとに、いろいろとチャレンジをしながら書いていました。特に「行間(見た目ではなく、意味としての)」の最適解をずっと探しています。

残り500本でどれだけ試せるか。それが自分の筋肉になり、軸になると信じて、1日ずつ大切に書きたいと思います。

また読んでいただけたらうれしいです。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?