リンゴ

脳科学×マーケティングで生まれた「ヒットの方程式」 『アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか?』 #123

iPhoneをひっくり返してみると現れる、アップルのロゴ。アップル=リンゴだからこのロゴなのは分かりますが、なぜ「かじりかけ」なのでしょうか?

考えたことなかったよーということを研究しているのが、心理学者の廣中直行さんです。

「こころ」は脳の働きから生まれます。好き嫌いを決めたり、モノを買うか買わないかを決めたりするのは脳の仕事。その働きを解き明かし、マーケティングに生かしたものが「ニューロマーケティング」です。

十年くらいで進化した分野だそうですが、専門家と一般人の理解には相当な距離があります。廣中さんとしては「どちらが読んでも意味のあるもの」が欲しかったとのこと。そんな視点から生まれたのが『アップルのリンゴはなぜかじりかけなのか? 心をつかむニューロマーケティング』なのです。

昨日ご紹介した『「買いたい!」のスイッチを押す方法 消費者の心と行動を読み解く』は、「人の行動メカニズムを生み出す心のメカニズムの研究」を基にマーケティング手法を解説した本でした。

どちらも 「脳」を扱っていて、消費者の無意識のニーズを探るという点では同じですが、「ニューロマーケティング」の方がより専門書に近いかなと感じました。

「ニューロマーケティング」の概論・方法論・予備知識から始まり、これを生かした商品開発やマーケティング事例が紹介されています。

最新の脳科学によって生み出された「ヒットの方程式」には7つの法則があります。

法則その1:「珍しさ」と「懐かしさ」のバランス
法則その2:“期待”を裏切る
法則その3:「自分は正しかった」と思わせる
法則その4:巧みに不満を演出する
法則その5:とにかく露出を増やす
法則その6:良い気分にさせる
法則その7:「他者の力」で売る

この中だと、法則その3の<「自分は正しかった」と思わせる>は、とても納得できるなと思います。ちょっと張り切った買い物をした際、消費者は買った“後”に検索して口コミを確認すると聞いたことがあります。

つまり、自分の買い物は間違っていなかったという安心がほしい。

踊らされているのではないか?という不安も生まれそうですが、脳の働きを知るのはおもしろそうです。

で、冒頭の質問。なぜ、アップルのロゴはなぜ「かじりかけのリンゴ」なのでしょうか?

人は、「欠けている」ものを見ると埋めたくなる。埋めるのが「あなた」なんですよ、というメッセージなのだそうです。もっとも、マッキントッシュが誕生する前のパソコンは、欠けた部分に「a」が来るようになっていたという理由もあるそうなんですけどね。笑

欠けている部分に、なにを足しますか?


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