キャラクター

見直してほしいマーケ用語 『売れるキャラクター戦略』 #126

広告とPRは似て非なるもの。事例を基に理解するならPRプロデューサー殿村美樹さんの『ブームをつくる 人がみずから動く仕組み』がおすすめです。戦略から考えてみるなら本田哲也さんの『戦略PR 空気をつくる。世論で売る。』が読みやすくていいと思います。

と言いつつ、今日は広告でもPRでもよく登場するアレについての本を紹介します。なぜって? 本棚に見当たらなかったからです!!!涙
(こういうのって、本好きあるあるですよね?)

はい、気を取り直して。
広告にもPRにも登場するアレとは、「キャラクター」です。有名なところではキティちゃんやディズニーキャラ。地方に目を向ければ、梨の妖精ふなっしーもいますし、企業や銀行、お菓子にだってキャラクターがいますよね。

でも、ちゃんと“活用”されているかどうかは別問題。

『ブームをつくる』にあったように、「ひこにゃん」だって殿村さんに“再発見”されるまでは、ただの“猫”だったんですから、せっかく作ったのに十分に育てていないキャラは多いのだと思われます。

キャラクターを使った多くの広告キャンペーンを手がけてきた、いとうとしこさんの本『売れるキャラクター戦略 “即死” “ゾンビ化”させない』 には、そんな“ゾンビ化”させないキャラクターの生み方・育て方が紹介されています。

キャラクターにまつわる仕事をざっくり分けると以下のふたつに集約されます。
・開発する
・運用する
この「運用する=育てる」まで想定せずに生み出されてしまう場合が多いのだそうです。企業のホームページの隅っこに、なんだかよく分からない物体がいるなーということありますよね。アレですね、きっと。

「生んで育てる」楽しみ方のハウツーを知ることは、日本をもっと豊かにするのではないかというのが、著者のいとうさんの考え。

いとうさんは20年にわたって「コアラのマーチ」の広告を手掛けられたそうです。そもそもはいとうさんが作った「カエルが世界を旅するエッセイ」が始まりでした。カエルのぬいぐるみを持っていとうさんが旅をし、写真と共にホームページにエッセイを書いていたのだそうです。キャラクターの名前は「カエルのカオル」。まだSNSのない時代におもしろい!と話題になり、「カエルのカオル」は個展を開いたりしているんですよ。かわいい。

こうして各国でのキャラクターパワーを肌で感じたことが、「コアラのマーチ」のCMへと繋がります。広告代理店での自分の仕事もやりつつ、キャラクターを使った何かを作りたいという個人活動が、仕事に繋がっていくんです。

キャラクター開発から運用までを紹介しつつ、有名キャラの場合、自前のキャラの場合と、各種パターンへの提案もあります。

「運用の基本は出会いを“広げる”・絆を“深める”」こと。これは、SNSと同じですよね。実際に、既にあるキャラクターの再活性の場としてデジタルは格好の場だと指摘されています。

有名キャラクターの戦略分析に、こんな話があります。

まずは
・出生地と年齢
・狩り場
・生息地
を確認せよ。

出た!!! 「狩り場」とはマーケティングの用語で「大きなファンを獲得する場」のことを指します。

消費者は、映画「ゾンビランド」のゾンビなんかい!

こういう、人を人間として見ていないかのような言葉の使い方になじめなくて、だからマーケとか広告の仕事が信用できないんだよなーと思い出させてくれたひと言。笑

キャラクターを使った戦略がとても分かりやすく紹介されていていい本だと思います。でも、この言葉に違和感を持たないのだろうか? キャラクターにはあんなに愛を注ぐのに?



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