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百姓的な生き方の時代へ 『日本再興戦略』 #320

落合陽一さんの『日本再興戦略』が出版されたのは、2018年のはじめでした。

新しい日本のために必要なことへの提言。でも、ここで書かれた状況と現在とは大きく違います。特に、危機感が薄い層、変わりたいけど変われない層にとって、今回のショックは大きかったのでは。

昨日ご紹介した冨山和彦さんの『コロナショック・サバイバル 日本経済復興計画』には、史上最大の経済恐慌を企業として、個人として、どう生き延びるかが紹介されていました。

危機の時代に求められるリーダー像と、落合さんが語る個の力。2冊をまとめて読むと、これからの時代に必要な能力が見えてきました。そこで今日は『日本再興戦略』で書かれているリーダー像についてまとめてみました。

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昭和的価値観から脱却するために必要なのは、「トレンディドラマ的価値観」を捨て去ることです。お金、職業、結婚、家族のあり方などなど、トレンディドラマが描いてきた世界観は、わたしたちにすり込まれています。まずはそこから抜け出すことが大事。

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日本再興の切り札となるのはテクノロジーです。

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このほか、5Gや、東洋の文化をブランディングすることの有用性にも触れられています。

こういう世界で、求められるリーダーとは。個人の生き方とは。

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仕事のあり方がプロジェクト型になり、ひとつのプロジェクトごとに優秀なメンバーが集められるようになる。これからは「チームの時代」だといわれています。「リーダー2.0」は、その時代に対応するリーダー像です。一方で、『コロナショック・サバイバル』で提言されていたのは、トップダウン型の強いリーダーでした。

落合さんのいう「リーダー2.0」と正反対にみえますが、いまは強いリーダーの下に、優秀なメンバーが集まってチームを組み、危機を乗り切ることが必要なのだと思います。一度変わり始めた「チームの時代」への流れは、変わらない。「会社」自体が変化しなければならないことは、『コロナショック・サバイバル』でも書かれています。

そこで「求められる人材」になるためには。

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ひらたくいうと、「できることを増やそう」ということですね。

ただし、複数の職業を持っても、コストがかさむ「コストセンター」と、利益を多く生む「プロフィットセンター」とをマネジメントする必要があるとのこと。

実は2018年にこの本を読む前に、会社の中で「研修」を受け持つことになって、悩んでいました。「学び」なんて人それぞれ必要なものは違うし、押しつけられる勉強なんて望んでないだろうし、そもそもみんな忙しいし。

どういう形なら可能なのだろうと、いろんな本を読んだり、人に話を聞いたりする中で、この本の中の「ホワイトカラーおじさん」という言葉に出会いました。

「ホワイトカラーおじさん」とは、ベンチャー企業において「守り」を担当する人のことです。

しっかりメールが打てて、電話の受け答えができて、お礼の手紙が書けて、事務作業を効率的にできて、新人を育成できるーーそうした人材はとくにベンチャー企業に足りません。
(中略)
根回しがうまくて、事務処理能力が高くて、オレオレではなくて、年収レンジが高くないおじさんは、ベンチャーにとって極めて有用です。

ちょっと笑っちゃったけど、なるほど、ここを目指せばいいのかということが分かりました。

研修を担当するということは、わたし自身が誰よりも学び、実践していないと企画できない。「できることを増やそう」は、わたし自身の課題でもあるのです。

「百の生業」。あったら楽しそう。

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