問題解決ラボ

デザイナーの試行錯誤をなぞろう 『問題解決ラボ』と「㊙展」 #240

わたしの周りには「問題」があふれています。

どうやったら目薬の命中率が上がるのか。どうやったら片付けられるようになるのか。どうやったら固定資産税を忘れずに払えるのか。

粗忽者にはつらい。

こんなチマチマしたレベルの「問題」ではなく、企業のお悩みをデザインの力で解決し続ける方がいます。

デザイナーの佐藤オオキさん。またの名を「問題発見プロフェッショナル」といいます。

昨日は佐藤さん“渾身の”ボツ案の本をご紹介しました。

そして今日ご紹介するのは、問題解決ノウハウを詰め込んだ本『問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術』です。

・チャンスは訪れる・認識・つかめるの三層構造。
・ワガママとコダワリのさじ加減を覚えて「ロールキャベツ化」しよう。
・手先の器用さも奇抜な発想力もいらない。

などなど、気になるページがいっぱいなのでぜひ手に取ってみてほしいのですが、デザイナーの頭の中、思考回路をのぞける展覧会「㊙展 めったに見られないデザイナー達の原画」とセットで見るのがおすすめです。

わたしたちが普段目にするデザインは、すべて完成品であり、結果物です。どれだけの過程を経てこの形になったのかを知ることはなかなかないですよね。

「㊙展」に展示されているのは、まさにその「途中経過」です。しかもさまざまな分野のデザイナー(建築家、照明デザイナー、テキスタイルデザイナー、グラフィックデザイナーら)が集まっているので、スケッチはもちろん、図面、模型、布きれなどなど、いろんなものがあります。

あんず餅の包み紙と、「神々の黄昏」のチケットが一緒に展示されてるって……。こういうカオスがアイディアを生むのかも。

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圧巻なのは大量のノートと、落書きかと思うようなメモの山。

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わたしは文房具が好きなのでノートやメモ帳、新しいペンを見るとついつい買ってしまうのですが、もったいながり屋でもあるので、なかなか使うことができません。

いや、もっと思い切って使い倒して山にしようよ、わたし。ここまで来たら芸術やもん。

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ここに佐藤オオキさんの展示はありませんが、本で紹介されていた「チマチマメモ術」は、デザイナー共通の趣向なんだなと感じました。

それこそ、わたしが「デザイナーになれない理由」。

みんな、字が小さい!!!

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ほぼ日手帳のガイド線って、こうやって使う人には便利なんですね。でもこのサイズで文字が書けるなんて。わたしがデザイナーになれないのも無理はないです(たぶん違う)。

会場の21_21 DESIGN SIGHTは、例のアレがあんな感じだからああすることにしたらしくて、3月12日(木)まで全館休館だそうです。

ぜひ、佐藤オオキさんの『問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術』と『ボツ本』を読んでからお出かけください。ガラスケースの中をじっくり見るなら、2時間はあった方がいいと思います。

トップランナーの試行錯誤を見ると、自分の一所懸命なんてまだまだ入り口だなーと感じます。トライの方向をどれだけ広げられるかという視点で見てもおもしろいですよ!

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