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達人に聞く!「考える」ってなに? 『考え続ける力』 #366
社会人になってからの方が学ぶことは増えたように思います。学生の勉強は、正解がひとつだから、ある意味そちらの方がラクだったかも、という声もあったりしますよね。
知らない分野のことに手を付けるとき。わたしは、本から入ることが多いのですが、走りながら身につける方がいいという人もいるでしょう。本を読むことの方がハードルが高く感じちゃうらしい。
予防医学の研究者である石川善樹さんは、「達人」を見つけることから始めるそうです。「達人」の思考パターンをつかんでマネすれば、その領域で活動できるようになるとのこと。
(そっちのが難しいんでは……)
という疑問を抱えつつ読んだ『考え続ける力』は、まったく異なる複数の分野で創造性を発揮している5人の「達人」に「考えるってなに?」を尋ねた本です。
対談箇所もとてもおもしろかったのですが、実は一番興味深く読んだのは、石川さんが解説している第一章の「イノベーションの技法」でした。例に挙げられているのは、芭蕉の俳句。これを構造化してイノベーションとは何かが説明されています。
いろいろ端折って結論だけ書きますと。
アップデートとアップグレートの間にはトレードオフ構造があります。この枠組みを芭蕉の句に当てはめます。
アップデート:もともとあった「和歌」を雅なものから下品なものへ
アップグレート:徘徊にわびさびを導入
貴族の遊びであった和歌を新しくした後に、質を高めたことが、芭蕉の功績です。
現在→アップデート→アップグレート→スタンダード化(現在)
世にある製品は、この三角をグルグル回ってコモディティ化していくわけですが、これを横にずらして「Think Different」したのが世阿弥だそう。
おわー、「Viva 芭蕉!」はそういうところにあったのか。世阿弥の河原者としての苦悩はそこに戻るのか。
そんなグルグルがとてもおもしろかったです。『風姿花伝』を読み直さなくてはと思いました。
さて、第二章以降の対談編、現代に生きる「Think Different」の達人が、こちらの5人です。
・安宅和人さん
・濱口秀司さん
・大嶋光昭さん
・小泉英明さん
・篠田真貴子さん
バイアスにならないようにと、お相手のプロフィールは対談の後に紹介されています。お名前を見て分かる人もいるかもしれませんね。
「ロジックとアイデアは必ず対にすること」と語る濱口さんのお話は、こちらの対談でも紹介されています。
これだけ「考える」を言語化できるなんて。「Think Different」の達人、そして石川さんの思考の過程をたどるだけでもワクワクします。「考えるってどういうこと?」という人はもちろん、「考えることが楽しくなればいいのに」という人にもおすすめです。
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2019年7月14日から始めた「#1000日チャレンジ」は、今日が366日目の更新。なんとか丸一年続けることができました。毎日「すき」を押してくださる方々、読んでくださった方々のおかげです。
ありがとうございました!
「書く」ことは、「考える」がないとできません。書く力、考える力を求め続けた一年でした。なにかができるようになった、深まったという実感がないのが、このチャレンジのつらいところかな。笑
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