考える力

あなたは絶対、もっと賢くなれる! 『考える力をつくるノート』 #238

「感動していない人は生きていないのと同じである」

アルベルト・アインシュタインの言葉だそうです。わたしたちは心が動いている方向に生きているので、「楽しい方へ・うれしい方へ」と行くことが脳を成長させると茂木健一郎さんは語っています。

クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さんは、数多くの失敗や挫折を経て「クリエイティブ合気道」に開眼したそう。極意は「“流される”から遠くへ行ける」です。

なんだかすごすぎて、分かるような分からないような。

業界のトップランナーの話ってとても興味深いし、刺激的です。その1mmでも、1gでも取り入れたいと思うのですが、読むは易し、行うは難しだなと感じてしまう。

それでも何度も読み返している本が『すぐに実行できるのに誰も教えてくれなかった考える力をつくるノート』です。

茂木さんや箭内さんをはじめ、細谷功さん、内田和成さん、丹羽宇一郎さん、藤巻幸夫さんら、さまざまな業界の方の講義録をまとめた本です。

講義が行われたのは、慶應義塾の社会人教育機関である慶應丸の内シティキャンパスの定例講演会「夕学五十講」。

あなたは絶対、もっと賢くなれる!

これが旗印なのですが、「賢い」というと、また学校での勉強を思い浮かべてしまいます。ですがこの本で紹介されるのは、より楽に、より強く生きるための「考え方」です。

茂木さんが脳科学の知見を用いて創造と発想について語ったかと思うと、新規事業プロデューサーの小山龍介さんはストレスフリーの仕事術として、「ティッシュとペン立てを机にテープで固定する」という話を紹介されています。

なに、このギャップ。

小山さんの話にはちゃんと理由があって「平均的なビジネスマンは1年間で150時間探し物をしている」から、探す時間を減らせば効率が上がるというわけです。

読む度に、気になる箇所が違うのですが、最近読み返したときに気になったのは、藤巻幸夫さんの語る「本気について」の話でした。

藤巻さんは伊勢丹の販売員だったころ、毎日「なぜ売れないのか」をメモしていたそうです。売れない理由を徹底的に考えることで、次の商品開発に活かす。お客さんによってチラシの色も紙質も変える。

人が見ていないところで、どこまでがんばれるか。

それが「本気」。

新人研修で20代初めの子たちと話をしていると、ホントに器用で頭がいいなと感じます。でも、何か課題をやってもらっても「本気」を感じられないことがあって。それを寂しく感じていました。

「本気」は、教えられないのです。

だから、先輩たちの「本気」を見てもらうしかない。今年は新人研修が始まる前に、先輩たちへの研修をやる予定なので、それぞれに覚悟と本気を準備してもらおうと思っています。

考える力は一生モノの資産です。新人だけでなく、先輩たちにだって必要な力だから。

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