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【ボタンを紐解く】ゴールデンエイジボタン

ゴールデンエイジボタンとは?
1970年にバーミンガムのイギリスボタンセンターで初めて製造された、真鍮に厚く金メッキを施した金ボタン。
大隈浩『ボタン博物館』, 東方出版, 2002

ボタンの歴史や種類を知るにあたって最早辞書的な役割を担う『ボタン博物館』によると、ゴールデンエイジボタンは上記のように紹介されている。

一般的に金ボタンというと金属でできた金色のボタンを指す。しかし、金ボタンと言われるボタンはほとんどが手に持った感じ「ん?結構軽いな」という印象を受けることだろう。なぜならそれらはカブセと言って、真鍮の薄い板をプレスして上下のパーツを作り、組み合わせてものだから。中が空洞なので重くない。比較的新しいヴィンテージの金ボタンや、学生服のボタンなどに使われている。

ゴールデンエイジボタンはわりと重い。
重いと言ってもボタンなのでズッシリとまではいかないが、他の空洞になった金ボタンと比べるとすぐに分かると思う。

1920年〜1950年にかけて製造されたゴールデンエイジボタンは裏面に製造メーカーの刻印がされている。表面のモチーフには花や果物、木の葉などが描かれていることが多い。

Benedict Burnhamのボタン等

わたしの手元にあるのは3つのゴールデンボタン。一番上と一番下のものはアメリカのBenedict Burnhamのボタンで、真ん中のボタンには「Scovil Etra Superfine」と書かれているが製造会社は不明。
おそらくアメリカのWaterberryで1802年に設立されたMorito Scovillが製造したものではないかと推測。なぜならゴールデンエイジボタンはWaterberryに存在した会社が製造元である可能性が高いため。

後にアメリカも機械化が進み、大量生産の時代に突入するわけだが、ゴールデンエイジボタンは精巧に作られた型と抜かりのない手仕上げで製造された逸品だったので、アンティークとなった今も尚コレクター心をくすぐる美しさがある。

この時代にWaterberryに存在したボタン製造メーカーには、他にも有名どころとして今も現役で活動を続けているWaterberry button companyがある。辿っていくと、なんとWaterberry button companyはそもそもBenedict Burnhamから派生したものだったりするのだけど、その話はまた今度。

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