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「累犯障害者」のビフォーアフター

「どうしてこの本を手に取っちゃたんだろう」

重い。

重いテーマです。

罪を重ねてしまう障害者にスポットをあてた一冊です。

絶望感

この本の著者自身も刑務所にいた事があって、塀の中で障害者の人と接したことを通じて、出所後も障害者の人の支援などに従事しているようです。

この文庫本が出版されたのは約15年前。障害者は出所しても行き場がない、という現実が描かれています。

本、というのは、知らなかった世界を知ることができるという特徴がありますが、まさにこの本は、書いてあることのほとんどが初めて知ることばかりでした。

反省という言葉の意味がよく理解できていないように感じた
多くの触法障害者が、「この社会にはいない者」として捉えられている。
いまのままじゃ、「障害者とか年寄りの受刑者は、また刑務所に戻りなさい」って言っているようなもんだ←ある刑務官の言葉
ここがいちばん暮らしやすい←ある受刑者の言葉
刑務所が福祉施設←「解説」に書かれていた言葉

私たちは何をすべきなのだろう、と考えさせられました。

その後の光

このままでいいのか、と著者は訴え、ある弁護士の助けも得て実際に行動も起こします。

この本は実名も出ているので、収監された方の「その後」について調べてみました(残念ながら無期懲役の方もいましたが)。その一人がこの方です。

下関駅を放火した事件は、私もよく記憶していました。その罪自体は重いものです。しかし、今はこうして、塀の中ではない世界で、やっと安住の地を見つけられたようです。

ようやく、社会は少しずつ変わってきつつあるようです。

排除するのではなく

私の親も現在、認知症で施設に入っています。認知症は障害者という扱いです。私たちは、健常者であってもいずれ認知症になる可能性を持っています。今や日本人の4人に1人は認知症とも言われています。

障害者の方との関わりはもっと想像よりもっと身近なのだと思います。


最後までお読みくださいましてありがとうございました。




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