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幸せのカタチは人それぞれ(流浪の月)

今どきの中学生や高校生は、「目標設定」に対する意識がとても高いように感じます。
学校で、そういう「未来」を考える教育をかなり強く受けているからだと思います。
私のころは(少なくとも私は)中学・高校はただ学習をしていただけで、「その先に何がある」なんて考えたこともありませんでした。考え始めたのは大学2・3年になってからです。しかも相当漠然と。
という過去話はともかく、しかし、その設定が思い通りに行かなかった「その先」については、何か「リカバリー」はあるのでしょうか。

私の身の周りにも、「何か目標はないのか?」と思うような生き方をしている若者もいます。
でも日常の不満はまったくない様子。
収入も低いようなので、出かけることもほとんどない。外での遊びもほとんどしない。それでもいいようなのです。
つつましいといえばつつましい。
「目標はないの?」と考えているのは、あくまで「オッサン世代の尺度」。

それが等身大でありそれで「enough」と感じているのであれば幸せなようです。
むしろ私の同年代の人間こそ(少なくとも私は)、平穏だった1日を平穏と思わず、「なんとなく1日を過ごしてしまった」とあせりを感じてしまう……

この小説も、
「あなたと一緒の空間に居られれば、他には何もいらない」という感覚。

価値観の「押し売り」をしていないか、と考えさせてくれた小説です。



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