見出し画像

マイクロスクールのアート鑑賞タイム:インターンとしての気づきや感じた事⑤

1  毎週変わる内容

「今週の講師はこの方?」先週からインターンとして通い始めた神戸のマイクロスクールの木曜日の最初の時間は“アート”で、講師は週替わりでいろいろな方がいらっしゃいます。

先週は製作中心の時間で初めて
参加する私は見ているだけの時間でした。
(一部下記の記事からお読みいただけます)

今朝は初めてお会いするファッショナブルで素敵な女性講師。今日はアート鑑賞の時間という事で「どんな内容だろう?」と期待が高まります。

ゆったりした雰囲気で始まった時間。
最初は東北の美術館でお勤めの講師からの
お話です。
ご自身の近況などを交え軽快なテンポで
進んで行き、子ども達も引き込まれてる
ように話を聞いていました。

その時印象に残ったのは“アートの専門家”というプロの目線を交えながらもアートって「わからないよね」と
子ども達の目線に立って
お話を進めていく姿勢です。

アートにまつわる問いかけをしながら、
少しずつ久しぶりに会う子ども達との
距離を縮めていってる感じです。
(週替わりなので月に一度しか
会わないから)

アートのよう解釈の仕方や専門分野が
多様な科目については毎週入れ替わりで、
いろいろな講師陣が各自の視点で
アートを語り子ども達とアートを
楽しむというアプローチは
とてもいい方法だなと感じました。

2  共に考える時間

この時間で一番面白いと感じたのは
「わからないって何?」という問いでした。「アートってわからない🤷‍♂️」という気持ち、すごく理解出来ます。
では、その「わからない」って「何が?」「どう?」わからないの?? って
聞かれると答えにつまりませんか?

ここは探究をメインにした
少人数のマイクロスクールです。
正解を探すのではなく、
子ども達も教室にいる大人も、
みんなが自分なりの答えを考えます。

そういう時間は穏やかな中に
真剣さがあり、
本当にマイクロスクールならではの
時間だと感じます。

でも何の資料もなく、
ただ問いかけているわけではなく、
しっかりしたスライド資料を
共有しながらの考察です。

〈わからない〉を分類する所から始まり、
その例も示しながらの展開の中で
キャッチボールのように会話が
スムーズになって行き、
メインのアート鑑賞へのスムーズな
動線になっていると思いました。

「わからない」時の心理状態は「わかりたい?」。
自分だけ分からないのでは
という疎外感や
なんとなくモヤモヤする不満。
「そういう気持ちが起こってくるのでは?」という問いかけから、
逆に「わかる」ってどういう事?
という問いかけにつながって行きます。

この辺りになると哲学のような世界。
これを「小学校の高学年から
中学生相手にするんだ!」と
私の中は驚きでいっぱい。

これもきめ細かく意見や
考えを聞く事が出来る
マイクロスクールだから
出来る事なのかもしれません。

普通学級の40人のクラスだと、
グループワークかな? 
そのグループワークでも
”問い”の落とし込み次第で
面白い展開になるかもしれません。

この「わからない」「わかる」のお話で
アート鑑賞についての
いろいろな見方や捉え方などのつながり、
考えが整理されました。
講師の話の中の「らせんで考えをめぐらす」というフレーズは心に残る名言でした。

ここまでが、多分、導入です。
そして、次に映し出された
1枚の絵から多様な意見が
引き出されて行きました。

ここでは画像を紹介出来ないので
詳細は割愛させていただきますが、
視点の持ち方や視座の高さで、
たった一つの画像でも
これだけの見え方があるのかと驚きました。

3 鑑賞の醍醐味

今回のメインの鑑賞対象は
講師がお勤めの美術館に常設展示されているオブジェでした。

これも画像がないので詳細は
お伝え出来ませんが、
これまでの人生で「アート鑑賞」を
ナビゲートをしていただきながら
経験した事がない私にとって、
とても刺激的な時間でした。

最初にホワイトボードに
映し出された画像を見て
”感想”や”気づき”を出し合っていく過程では
不思議そうな表情だった子ども達が
「パソコンの近くに来て見てごらん」
という一言で円卓の周りに集まり、
ある事に気づいてからは
一気に場の空気が変わります。
(円卓は上の画像を参考にしてくださいね。)

それは……オブジェを構成する数万個の
パーツが”人のカタチ”だと気づいたからです。
そこから、今まで見ていた時に感じた気持ちや見え方ががらっと変わり、
講師も子ども達もスタッフも含めて、
とても活発な対話の時間となりました。

そこまでの時間の運び方も、
こういう鑑賞対象を選ぶセンスも
「さすが!」と言わざるを得ません。

子ども達の興味や何気ないつぶやきを
一つ残さずに丁寧にすくいあげる事が
出来るのもマイクロスクールならでは。

探究メインの学びの場である
スクールで子ども達も大人も一緒に
”アート作品”を鑑賞する醍醐味は、
異年齢の視点が入り、
様々な気づきを共有出来、
ふと誰かがもらした一言やつぶやきから、
見える世界が変わって来たり、
作品への想いが膨らんで
来たりする所にあるのかもしれません。

4 まとめ

今回、インターンとして
今まで仕事をしてきた学校とは
全く違う学びの場である
マイクロスクール(オルタナティブスクール)に加えていただき、
日々慣れない事や戸惑う事ばかりです。

でも、その環境の中でしか
見えない景色があり、
気づけない事があると
痛感もしています。

私がお世話になっている
スクールは全国にたくさんある
スクールの中の一つですが、
講師でもスクールスタッフでも、
保護者でもない、
いわゆる第三者の視点で、
スクールの魅力や気づきや
考えた事などを
お伝え出来ればと思います。

いろいろな学びの場を
知っていただき
お子様の学びの場選びの
選択肢が増える事は
「子ども達が未来を生きる力」
を育んでいくために
きっと必要な事だと思うので。

スクールの情報は
こちらからご覧いただけます。

 〈終わり〉