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マイクロスクール ラーンネット・エッジでのインターン②:探究の学びの場での気づきや感じた事 ~自由と感性~

1 アートの時間

インターン2日目の最初の時間は「アート」。その響きだけでもワクワクします。
学校では普通、美術という科目で
専任の先生がいらっしゃるかと思うのですが、ラーンネット・エッジでは
複数の方が受け持たれている様子です。
(まだ3日しか行っていないのでよく
分かっていない事が多くすみません。)

その時間の担当者は
人生経験を積まれた”アーティスト”。
ご自身の作られた素敵な作品を持参し、
気さくに話を始められ
フランクな雰囲気の中で
授業が進んで行きます。

私がいいなと感じたのは
”異世代交流”が出来るという点と
”距離感”です。

10代の子達が自分と年の離れた親戚以外の方と交流できる機会は少ないのが現状ですが、人生の先輩とこういう形で接するのは
理想的ではないかと思いました。

実習を伴う授業で
少人数で何でも聞きやすい雰囲気の中で
担当の方のお話を伺い、
作品作りをしながら、
学びの場で一緒に時が過ごすのは
和やかでとても素敵な時間でした。

この日は「自由に材料を組み合わせて、
1つの世界をつくる」という時間だった
と思います。
大人数の授業と違い、
黒板やスクリーンに
”本日のテーマ”や”本時の目的”や
”手順”などを書く必要はないようで、
口頭の説明で進んで行きます。

これは言葉で全員に伝わる近さと、
分からなければ、いつでも質問が出来る
環境だから出来ること。
マイクロスクールの特色の
ひとつなのかもしれません。

材料の準備の仕方もユニークです。
学校のように1学年200名近くの
生徒全員分の材料を「公平に揃えなければ」というような制限もなく”自由”の一言。

生徒達が真剣な表情で
材料を選ぶ姿を見て、
自分の家庭科の授業について
考えさせられたのは次のような事です。
・自由に選べない材料で生徒達の実習への
   やる気を引き出せたのだろうか?
・見本を作り基礎的な技術の習得を
    目的とした実習で本当に良かったのか?

家庭科とアートは違うと
わかっていながらも、
もっと違う方法があったのではないかと思いが胸をよぎります。

ただ、この”自由さ”は多分「評価が不要」
だから出来る事なのだろうと思います。
全て自由とした時、何を基準に評価を
していくかとなると、
その制作過程を見ていく事が大切となり、
生徒一人ひとりへのきめ細かい観察や
フォローが必要で
40名を超えるクラスを
一人で担当している場合は
非常に難しいと感じました。

2 アーティストとしての存在

このスクールで授業を進める大人は
スクールスタッフで
子ども達をナビゲートしていく立場のようで
「先生」や「講師」という
指導したり教えたりする役割とは
少し異なるようです。

とても不思議な感覚にとらわられたのは、
アートの時間のスクールスタッフが
《アーティスト》として
場にいらしたという感じを受けた事です。

子ども達が手を動かしながら
作業している間に、
ご自身の作品のお話をされる事もあり、
その時間全体が「アート」の時間でした。

いろいろなお話をされながら、
子ども達の作品作りに
アーティストとしての視点から
ナビゲーションしていく様子は
「さすが!」の一言です。

子ども達だけの発想では
見えてこなかったり
出来なかった世界が広がっていきます。

今回は導入という事で
作業途中で時間は終わりました。

今回、印象的だったのは
冒頭に話された”阪神大震災”の事でした。
そのエピソードから、
自分の自宅の庭や公園などにある
身近な素材や生活の中で出る不用品に
目を向けるように話を
持って行かれたのがとても自然で
納得出来ました。

ともすると授業での「先生」の話は
押し付けがましくなったり
説教じみたりしますが、
ここではそういう感じが一切ありません。
受け取り方も子ども達の自由。
(多分ですが)

小学校高学年から中学の多感な時期に、
いわゆる「先生」から「美術」の授業を
受けるのと比べると
《アーティスト》であるスタッフから
創作についてやアーティストとしての
歴史や暮らしなどを聞く事は
”キャリアデザイン”にもつながる、
とてもいい時間だと実感しました。

3 子ども達の感性

「センスないから無理!」 
在職中「”オリジナルの作品”を作ろうよ! 」
と持ち掛けると生徒達から
返って来た返事です。
「どうして、そんな事言うんだろう?」
「自分の感性を信じられないから?」
「正解や見本がないと
何をつくっていいか分からないから?」
学校で家庭科を担当している時、
考えさせられたのが
「センス」とか「感性」の事です。

ひと学年の人数が多い程、
中には天才的な感性の子がいて、
その子、あるいは、その子達の作品は
大人でも舌を巻く出来上がりです。

そんな強烈な作品を一度でも目にすると
「自分なんて…」と
しり込みしてしまう気持ちは分かります。
けれど、これからの時代は
個人をアピールしていく事が
大切になっていきます。

「自分らしさ」に
磨きをかけていくためにも、
文字でも文章でも何かの作品でも
「表現していく」というのは
とても大切な練習になるのにと
残念な気持ちになった事を覚えています。

結局”オリジナルの作品”作りは、
他の子を見ながら似たものになったり、
最初からやる気が出ない様子で
作業も適当だったりで、
指導の難しさを感じたものでした。

反面、このスクールでは、
生徒達同士やスタッフの方々との
人間関係が出来ているからか、
そういう感じが全くありません。

自分の思うまま、自分のペースで
作業を楽しむ姿は
見ていて気持ちのいいものでした。

「人と比較せず自分の感性を大事に出来る」
というのは素晴らしい環境だと
痛感しました。

4 まとめ

インターン2日目、
アートの時間の後は「Flex」という時間で、
この日は学校行事への
取り組みをしていました。

いろいろ観察させていただき
書かせてもらっていますが、
私自身は、まだ場に全くなじめていなくて、
の家庭科教師としての
学校生活とは全く違う”学びの場”の
隅っこにいさせてもらい、
見させてもらっているだけです。

それでも、こういう新鮮な目線で
この場を見る事が出来るのは
今だけだろうと自身の記録も
含めて書かせてもらっています。

この内容が何かのお役に立てましたら
幸いです。

ラーンネット・エッジについては
下記のサイトよりご覧ください。

私が個人で行っている活動は
下記のサイトからご覧ください。

お読みいただきありがとうございました。〈終わり〉