初めて食べたハイカラな味【昭和のあの頃】
初めて食べたハイカラな味
ハイカラな味、
それはケッチャプライスを薄焼き卵で巻いて、とろりとケッチャプがかかった、
オムライスです。
私がそれを初めて食べたのは、
私がまだ三才頃だったのでしょうか。
私が住んでいたのは山間の田舎でしたが、年に数回家族で町まで出かけていました。出かけ先でお昼ご飯に連れて行ってもらったのが、あの頃はファミレスと言うより食堂ですね。その食堂の店先で、
ガラス越しに見たオムライスのサンプル。
これが、私の人生初のオムライスでした。
人生初のオムライス
そこには何段も棚があって、食べ物から飲み物まで食品サンプルが沢山並べてありました。中でもオムライスは、赤と黄色がきれいでとても美味しそうに見えました。父がガラス棚の上の方が見えない私を抱き上げて、上に並べられた他のサンプルを見せてくれました。
が、
結局は、オムライスにしました。
店内に入り注文を終えてオムライスが運ばれて来るのを待っていました。
オムライスを待つ間も、椅子に座って床につかない足をユラユラさせてワクワクしながら待っていました。
オムライスより先にスプーンだけが運ばれて来たのですが、
これまたスプーンに大喜びです。
なぜかと言うとそれは大人用のスプーンが紙ナフキンで包まれていて、それが珍しくて子供心に、とても特別な物のように思えました。
そして、ついにオムライスが運ばれて来ました。
薄焼き卵の中はケチャップライスで、甘酸っぱいケチャップがかかっていて
期待通りでとても美味しかったのを覚えています。
そして、もう一つ気になっていた物がありました。
思い出のミックスジュース
それは、ジュースです。
そのジュースは、まあるいフォルムで下が細くなったビールグラスのようなものに入っていました。中のジュースと言うよりは、グラスの方が気になっていたのだと思います。
ですが、
運ばれてきたジュースは、私が思っていたジュースではなかったのです。
よく見るタイプの普通のグラスでした。
これじゃない、、、
そう思いながら横を見ると,姉は何も言わずに美味しそうに、私と一緒に注文したジュースを飲んでいました。
私は初めて見る形の「あのグラス」で飲みたかったのですが、でも仕方なくそのジュースを飲みました。飲んでみるとトロッとしていてこれも初めて飲む味で、美味しくて、
それはミックスジュースでした。
一口で大好きになりました。
単純です。
この時以来、私が注文する物は、いつもオムライスとミックスジュースでした。
二代目オムライスファン(2名)
それから約二十年。
私も結婚をし、二人の子供の母親になりました。
子供たちもオムライスは好きで、お肉の好きな長男。シーフードの好きな次男。二人の美味しい顔が見たくてケチャップライスを工夫して作っていました。
最後にかけるケチャップは
「自分でかける。」
と言って小さな手で頑張ってかけるのですが、頑張りすぎて
「あー、かけすぎー。」
と、思いながらも、笑顔いっぱいでケッチャプをかけて、笑顔いっぱいで食べている子供たちと一緒に食べるオムライスは、お腹も心も満たしてくれました。
今では子供たちもいい大人ですが、今もオムライスは好きなようです。
ケチャップライスを薄焼き卵で巻いて真っ赤なケッチャプがかかった、昭和のあのオムライス。
初めて食べたハイカラな味でした。
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