ドコココソコニイル（自由詩）

ドコココソコニイル


どこにいる。
自分は、何処にいる。
ガラス越しの自分は消えそうだから、
何処かに、自分はいるはずなんだけど、
いつもどこかで立ち止まって迷っている。

ここにいる。
その人はここにいる。
此処で、玄関の先にある今日を開いている。
その自分は、重くて大きい扉を開けている。

そこにいる。
あの人はそこにいる。
其処で、目を閉じて明日の自分を見ている。
あの自分は、夢から覚めた現実を見ている。

そんな自分たちは、気を抜いたら、
つい猫背になってしまうから。

このまま、自分の首から下なら見えるから、
意識して、胸を張っていくのを確かめよう。

きっと、どんな状況でも、
胸を張るだけで、自分のことが見えるし、

そうすれば、此処にも、其処にも、
ちゃんと自分がいることに気づくから。


どこにいる。
自分なんか、何処にいる。
鏡で見えるのは反対の自分だから、
本当の自分は、全然違うって、
ずっと固まったまま動けずにいる。

ここにいる。
その人は、此処にいる。
頭の中で、考えた自分になろうとしていて、
その自分は、焦らずに地道に積み重ねている。

そこにいる。
あの人は、其処にいる。
夢の中で、描いていた世界に向かっていて、
あの自分は、諦めずにやれる事をやっている。

そんな自分たちも、つまづいて
時には下を向いてしまうから。

それなら、自分の足元は見えるから、
立ち止まって、自分の現在地を確かめよう。

そこに立てているのなら、
あとは、一歩踏み出すだけだし、

そこから、ゆっくり一歩を進めるだけで、
此処の、其処の、自分にもなれるから。


自分はどこにいる。
あそこの想い出の場所にいる。
こっちの光の射す方にもいる。

色々な過去や日常の様々な場所に
其々の自分が散らばっているけど、
それらは全部、自分自身だから、
そして、今の自分は、確かにここにいるから。


そんな、一人一人の自分を分け隔てなく照らすように、この曲を和える。