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モノローグ『宇宙と話す』 #0

何かについて考え続けていると、考えていたことを放って”世界”に思いが移る。急に、世界という概念は自分の想像が作り出したもののように感じてしまう。そう思った瞬間、今ここに生きている心地がどんどん薄くなってくる。そんな感覚が訪れる。
今まではうっすら微妙に感じているだけで、デジャブを体験した時みたいにその時は印象的だけど、その後には何も響かないと思っていた。しかし最近は、世界が自分の想像の中に落ちていく回数を重ねるごとに、なんだかそれが妙に生々しく迫ってくる。

それでも、そんなことでクヨクヨしたり落ち込んでいては、普段の生活自体が成り立たなくなってしまう。だがある時、これは創作のヒントだと切り替えた瞬間に、心はすっかりと晴れ渡りきった。

それでもそれでも、どことなくなんとなく、これを書いている今も、自分の身体と、脳みそとの繋がりを持てない。なんだか、脳みそだけで生きている感覚が強くなってきた。
無意識に電車を乗り換えていたり、いつも同じ順番で体洗っている時などに、電車とか次どこ洗うかとかじゃない全く別のことを考えることが自分には出来ている。しかし、そんな時にふっ、と思ってしまう、「あれ、今の自分って、頭と体で別人?」みたいなことを。

いつか私は、脳みそだけの存在になってしまうのか。生きていることの価値を、頭脳を動かすことだけに限定されるのか。いやいや、誰に?

お読みいただきありがとうございました。