見出し画像

元教授、 「がっちりマンデー!!」 で知る地図の超進化: 定年退職124日目

パリオリンピック観戦を引き続き楽しんでいます。今日は大会6日目で、体操競技では、初出場の岡慎之助選手(20)が個人総合で金メダルを獲得しました。岡選手は手足の伸びた美しいフォームが印象的で、昨日の団体での大逆転でも、最終種目で緊張を乗り越えて堅実な鉄棒演技を披露しました(私が大好きな岡選手のエピソードは、4歳のとき保育園の先生に逆上がりを褒められたことがきっかけで体操を始めたという話です)。一方、連覇を狙った橋本大輝選手や中国のエース張博恒選手は残念でしたが、選手達のスポーツマンシップにあふれた清々しい試合に感動しました。


さて、今回は日曜朝に放送されている「がっちりマンデー!!」で特集された「地図」の進化についてお話ししたいと思います(タイトル写真、下写真:注1)。以前は、車を運転する人以外は地図を見る機会がほとんどなく、「私は方向音痴なので、地図はちょっと・・・」という人が多かったように思います。しかし、最近ではスマートフォンの普及により、誰もが当たり前のように地図アプリを利用するようになりました(下写真)。目的地までの経路検索はもちろん、お店探しや街歩きなど、地図は私たちの日常生活に欠かせないツールとなっています。もはや「方向音痴」という言葉自体が死語になりつつあります。

「がっちりマンデー!!」で特集された地図の進化(注1)
地図は私たちの日常生活に欠かせないツール(注1)

<追記> 小学生の頃は、社会科の授業になると友達と「地図当てゲーム」に没頭していました。授業が始まると、こっそり「○ページの中で、△はどこでしょう?」と問題を出し合い、授業そっちのけで地図帳と格闘したものです。見つけた時の喜びといったらありませんでした。たとえば私が出した問題は「西日本にある竹生島はどこだ?」で、友達は海を探しますが、実は琵琶湖の中にあるというのがこの問題のミソです。こうした経験を通して私はいつしか地図が好きになり、大学受験でも迷わず地理を選択しました。受験勉強とはいえ、まるでパズルを解くような感覚で地理の学習を楽しんでいました。


では「がっちりマンデー!!」に戻りましょう。今日はその中から2つの会社を紹介し、地図がどれほど進化しているかをお見せします。

とんでもない情報がある「秘密の地図」

最初に紹介されたのは、道路地図でお馴染みの「(株)ゼンリン」です。私はドライブが好きで、3年前までカーナビを使わずに、紙の地図帳を何冊か車に積んでいました。それらは目的地に着くためだけのものでしたが、今や「GIS パッケージ」という詳細な情報が含まれるようになったとのことです。コンピュータで見るのですが、建物の大きさ、高さ、地番、道路の幅などの住宅情報だけでなく、各種路線価、用途地域、学区、ハザードマップなどのビッグデータを、役所や団体から許可を取り、全て盛り込んでいます(下写真)。地図というより、その上にあらゆる情報を載せているデータベースなのです。「ドローン配送のための建物を回避する飛行ルート設定」などの「ある地点へ到達する経路を探す」地図本来の使い方ができるのはもちろん、不動産業者や税理士(相続税算出)などの様々な業界から熱い視線が注がれ、高まるニーズに応えていました。

地図上にビッグデータを全て盛り込んでいる(注1)


未来の自動車に欠かせない「次世代地図」

もう一社は「ダイナミックマッププラットホーム(株)」という会社で、立体的に表現された3D地図を作成しています。各地点がレーザー計測によりミリ単位の精度で記録され、縁石の高さまで正確な位置(精密な緯度、経度、高度)が得られています。スゴいのはここからで、私はそれらのデータの用途を聞いて衝撃を受けました。

もうすぐ車の自動運転が可能になりますが(高速道路や自動車専用道路ではすでにハンズフリーが可能)、私はてっきり、カメラが重要でそれにGPSからの位置情報を組み合わせているのだと思っていました。実はそれらだけでは不十分で、高精度三次元データも必要不可欠なのです(下写真)。すなわち、先進運転支援システム(ADAS)が動いているのは、すでに高速道路や自動車道路の位置情報が得られたからで、自動車メーカーはこの高精度位置データが必要になるのです。現在、日本中の一般道を計測中で(下写真)、これが完了すれば日本中どこでも自動運転が可能になる時代が待っています。

自動運転に必要な高精度な位置データ(注1)
レーザーにより日本中の一般道を計測中(注1)


今回は一見地味な地図の話からでしたが、社会がこれほど大きく変化していることに改めて驚かされました。高齢化社会を迎える中で、地図の進化は、より安全で快適な暮らしの実現に大きく貢献してくれるはずです。では、また。

−−−−
注1:MBSテレビ番組「がっちりマンデー!!」のテレビより


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?