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元教授のパリオリンピック観戦記(5日目、「明鏡止水: 馬と弓」と初老ジャパン): 定年退職123日目

パリオリンピックの5日目です。昨日、NHKの「明鏡止水:武の五輪」第5回の剣術について触れましたが、第4回のテーマは「馬と弓」で、馬術、弓道、アーチェリーなどが特集されていました(下写真)。そんな時、オリンピック総合馬術団体で日本が 92 年ぶり(団体としては初)の銅メダル獲得というニュースが舞い込みました(タイトル写真、注1)。なんというタイミング! そこで、これについて少し書きたいと思います。

「明鏡止水:武の五輪」の第4回「馬と弓」(注2)
30分番組ですが、司会の岡田さんは話したいことがたくさんあるようで・・・(注2)

「明鏡止水」では、各競技において姿勢の重要性が強調されています。これは最近で言う「体幹」に近い概念でしょうか、基本はお腹の下にある「丹田」に力を入れることが重要とされています。今回のテーマ「馬と弓」では、ロンドンオリンピックの元日本代表弓良さんが姿勢やフォームの大切さについて述べていました。特に馬術においては、不安定な馬上でさまざまな動きをとるため、姿勢が極めて重要です。さらに、弓馬術の鹿島流師範の森さんも、人馬一体となるために、重心は人の下丹田と馬の下丹田の両方を合わせる必要があると指摘していました(下写真)。

流鏑馬(やぶさめ)での弓馬術の極意(注2)


今回のオリンピック総合馬術日本チームは「初老ジャパン」と呼ばれており(自虐的なニュアンスが含まれていますが)、全員が昭和生まれの平均年齢 41.5 歳の4人でした(下写真)。テレビで拝見する限り、10代や20代のメダリストに比べて初々しさには欠けますが、私にはなかなか味がある4人に見えました。

全員が昭和生まれの平均年齢 41.5 歳の「初老ジャパン」(注3)

結果的には、馬術の本場であるイギリス、フランスに次ぐ第3位。これが偶然ではないことは、東京オリンピックで入賞、今回のパリでの個人戦でも2名が入賞していることから明らかです。そして、日本からの参加は馬の体調管理という大きなハンデがある中で、この快挙を達成したのです。

試合はベルサイユ宮殿で行われ、初日の馬場馬術(正確さと美しさを競う)で5位につけ、2日目のクロスカントリーで3位に浮上しました。馬体検査のトラブルで一時5位に後退しましたが、最終日の障害馬術はリザーブの選手(馬)も含めて好成績収め、見事3位に順位を上げました。このようなトラブルにも屈しなかったところが、さすが「初老ジャパン」の実力だと感じました。

また素晴らしいと思ったことは、表彰式で馬も一緒に祝われたことです。馬の装具にもリボンで飾られたメダルが付けられていました。選手たちは「馬はきっとわかっていない」と言いつつも、馬にご褒美のリンゴやニンジンを与えて喜ばせたそうです。最年長48歳のチームにふさわしい光景でした。


ところで、私が好きな番組で「にけつッ!!」があります(下写真)。深夜に放送されるので月に一度くらいしか見れていませんが、千原ジュニアさんとケンコバさんが打ち合わせなしで対談する、ハプニングが多く楽しい番組です。先日の放送では「オジさんの悲哀」について話がありました。

読売テレビ「にけつッ!!」(注4)

ケンコバさんがビル内で電話を待っていた時の出来事です。大きなガラスの前で若い女子二人がダンスの練習をしていたそうです。そこに小学生低学年らしい通りすがりの女の子が加わってきて、微笑ましいことに3人で楽しそうに踊っている状況になりました。しかし、その輪に近づいてきたオジさんが加わったところ、すぐに小学生が抜け、若者二人も帰ってしまったという、オジさんがかわいそうだったというエピソードでした(番組では面白かったのですが、文章にすると上手く伝わりません・・・ケンコバさんごめんなさい!)。


最近のオジさんは、このように悲しい立場にあるのです。「初老ジャパン」の活躍によって、少しでもオジさんの地位が向上することを期待しています。
では、また。

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注1:朝日新聞、オリンピック号外より 
注2:NHK テレビより
注3:日本テレビ「Zip」より
注4:読売テレビ「にけつッ!!」ホームページより


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