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人に愛されるロゴの作り方 〜制作から商標登録されるまで〜 |起業Tips #1

SHUZO[挑戦の立会人]

チャレンジクリエイター:SHUZOです!
ここ最近ずっと「challenge」シリーズが続いていたこともあり、そろそろ起業に関するネタを披露します。

起業家ネタの記念すべき初回は、会社の顔となるロゴについて。
僕が2018年の3月に立ち上げた法人「株式会社3.2.1」のコーポレート・ロゴの制作〜商標登録されるまでのストーリーみたいなものを紹介しつつ、クリエイターの方にとっては「起業家=発注者はこんなことを大切にしているのか」ということを知る機会に、起業を考えている方にとっては「ロゴってこんな風に造れるのか」と思っていただければ嬉しいです!

初代のロゴは「手作り」で | 想い > 品質 LEANで

まずは背景から。最初のコーポレートロゴを制作する際は、以下のような前提でした。

■ ロゴを制作する時点での前提
・目的:プロジェクトの識別と、意義=想いを伝えること
・使い方:Webに掲載はせず、当面は対面で説明する資料などで使うのみ
・所有者:プロジェクトは個人事業主での活動であり、法人化は未定
・費用:事業化するかも不明なため、コストを掛けられない

ということで、まずはコスト最小で、必要があれば然るべきモノを再度作るという前提で取り掛かりました。いわゆるLEANでって感じで。
その結果、「自分でつくる」という方法を選びました。ま、不確定要素が多くて予算が無いなら、必然的にそうなりますよね。

で、自分で作ったのがコチラ。

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ツールは使えるものなら何でも良いと思いますが、僕はAdobeのIllustratorを使いました。以前、Web系のプログラミングスクールに通っていた際に触ったことがあり、マスク機能(重ね合わせたオブジェクトの形状で下の柄を透過させる)など便利だなと記憶していたので。

作り方は至って簡単。グラデーションのレイヤを作り、その上に円を3つ繋げて作ったシェイプ(イラスト)を重ねて、マスクさせるだけ。
何でもTryしておくと、こういうふうに役に立つこともありますね。

ロゴの意味について、ザックリ説明しますと

■ ロゴの意味
・3つの世界が1つに繋がったイメージ
・色んな色があって、1つに固定されていない
 → フレキシブル、自由、個性という要素の集合

本当は、なぜそういうイメージを持つに至ったのかなど、想いを紹介したいところですが、それを入れるとEndlessになりかねないので、今回はアッサリと触れる程度にしておきます。w

しかし、まぁ、良くも公衆の面前に、こんなレベルのものを晒せるな。と改めて見て感じます。w
実際、この自作ロゴについて、プロジェクトの説明などで目にした方の反応は、
「あ、うん。良いと思うよ」
「なんか、某TV局のチャリティ番組を連想する。特に右の辺り」

という、至極当然のリアクションをいただいておりました。
これもとても貴重な「声」です。
それによって、プロジェクトを継続するなら、ロゴは作り直す必要がある。という結論に至ることができました。

事業の創出と同じ、ロゴも最初から完璧にする必要は無いのです。
特にWeb掲載などをせず、実地にて try&error で検証をしていく段階では、クオリティはさておき、何らかイメージを伝えるアイコンがあれば十分です。

ロゴの作り直し|プロの手を借りる

でも、最初のtry&errorのフェーズが完了し、プロジェクトから事業というカタチで try&error を継続させつつも、色んな協力を得る段階に進むのなら、クオリティも多少は必要になります。

お客様や関わってくださる会社さまが見た時に、手作り感満載だとさすがに「ここ大丈夫か?」という疑念が生まれることは容易に想像が付きます。
何よりも、他社の商標に近似しているなど、知的財産権の侵害を気付かずに行うと、大きな痛手となり返ってきます。少ないリソースでビジネスをする以上は、避けられるリスクは避けるべきです。(リスクを取ってチャレンジする部分を絞るべき)

という事で、以下の条件にて作り直しを行うことにしました。

■ ロゴ作り直しの前提
・法人化したうえで、事業化することが確定している
・伝えたいイメージや基本造形は踏襲しつつ、素人の手作り感は無くしたい
・他社の知的財産権の侵害は避ける=先行商標の調査と登録を行う
・とはいえ、資産は限られているためなるべくコストを抑えたい
・できれば複数の選択肢の中から最善のものを選びたい

検討の結果、プロではあるが、著名なデザイン事務所よりもリーズナブルに依頼ができ、バラエティに富んだ案を複数提案いただくことができる「フリーランスを対象にした受発注プラットフォームサービス」を利用することにしました。

弊社が利用したのは「ランサーズ」さんでした。当時僕が経営を学んでいたビジネス・ブレークスルー大学の講義でも、イノベーティブなサービスの事例として登場してきたこともあり、UIなど使い勝手が分かっていたからです。

実際に依頼する際には、以下のような条件(要件)でお願いしました。

■ 案件依頼の条件(要件)
・前述のロゴのイメージを表現している
・基本造形は自作のものを踏襲(新規提案も可)
・機械的でクールなよりも、有機的で躍動感を感じるもの。
・商標登録を行う
・動画などでモーションロゴとしても利用する

すると、締切直前にドバっと提案数が増えて合計30件ほどのご提案をいただきました。

続いて、以下のような作業を行いました。
1. 提案いただいたものの中から、クオリティと印象の観点で良いなと感じるものを候補として選出
2. 商標登録を行うため、先行商標と類似しているものが無いか、念の為再度確認。(僕はtoreruの画像検索機能を使い、ザックリと調査しました)

すると、作業1で「良いな」と思ったものでも、類似商標があることが分かり、やむなく落選するものが幾つか出てきました。
これで分かったことは「商標登録予定」で募集しても、デザイナーさんでの事前調査は担保されないということ。

もちろん、ちゃんと事前調査をされたと思われる方もいらっしゃって、この作業で引っかかるのは一部だけでした。しかし、依頼主側でも改めて調査される事をオススメします。せっかく資金を使って作ったロゴが、商標権の侵害で使えないとなっては、時間とお金が無駄になりますので。

上記の結果、最終的に3つの案が残りました。
さて、この3つから、どのように絞るか。
弊社は、ある試みを行うことにしました。

ロゴをお客様に選んでもらう|オーディエンスを巻き込む

前職の会社でも、大学でも「デザイン思考プロセス」は重要ということは良く分かっていましたし、「提供者論理には走らない」と心掛けていました。
そのため、自分たちが良いと思っても、お客様に「いいね」って思ってもらえなければ意味が無い。であれば、お客様に選んでもらえば良いよね。となりました。

商品パッケージとか、サービスの名前とかを投票で選ぶというのはあると思いますが、コーポレート・ロゴを投票で選ぶというのは、なかなかチャレンジングだと思います。

ここで課題となるのが、お客様にどうやって選んでもらうのか?という事。
さらに弊社の場合、まだサービスローンチしていないのに、お客様ってどこの誰?となります。

この点については、弊社が想定するお客様と、僕個人がFacebookにて繋がっている方々は概ね重なる。と判断できたのでクリアできました。
というか、自分自身が当事者として感じた課題の解決が事業のベースとなっているので、その自分が属するコミュニティが対象になるのはある意味必然でした。

そういう前提もあり、僕個人のFacebook上でアンケートを実施しました。
お願いする際は、前述の「ロゴで表現したいこと」や「法人が大切にしたい価値観」も併せて伝えました。選ぶ前提が必要ですから。

その結果、週末の二日間だけの集計でしたが、約50名の方から投票いただけました。

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2つの候補が僅差となり、少し悩ましい結果となりましたが、お客様と重なる方々の意向を反映したロゴを選ぶことができました。
何より、法人の生い立ちに多くの方に関わって(参加して)いただけたことが、一番の成果となりました。これは完全に当初の想定外の部分です。

これらのプロセスを経て、弊社の正式なロゴとなったのがコチラです。

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やはり、素人が感覚で作ったものとは比べものにならない仕上がりです。

色が不規則に混ざり合っている感じとか、水のような立体感。確かに今の世の中のトレンド(フラットでシンプルなもの)とは合わないかも知れませんが、弊社が伝えたいこと、大切にしているものを、届けたい人に届けることができるアイコン(象徴)になってくれるものと期待しています。

さらに調子に乗って、ロゴに名前を付けることにしました。メルセデス・ベンツのロゴ(三ツ矢サイダーみたいなやつ)が「three pointed star」であることにインスパイアされ、「three connected circle」と名付けることにしました。

なお、一部の方からは、ハンドスピナーとか、某仮想通貨のロゴっぽいとかコメントをいただきますが、前者については、弊社のvisionともつながる部分があるので、「そのとおりです。なぜなら〜の点でハンドスピナーと一致しているので」と、トンチの効いた返しをします。w

ロゴを商標として保護する|逆に自由度が上がる?

現時点で類似のロゴが使われていないことを確認しただけでは安心できません。法律上は先に商標出願した者に一定期間の独占使用権が与えられるルールになっているため、防衛の意味で保護する必要があります。

いや、むしろ、マネされるくらいになったら大したもんだ。とポジティブに考えることもできるのですが、前述のように、そうなってからでは遅いのです。

たかがロゴ。されどロゴ。ブランドイメージとも密接につながるこのアイコンに、多くの企業は惜しみないコストと労力をかけるのです。
以前、motiongraphicsスクールの状況報告にて、「有名な企業も自社ロゴで遊んでいるが、それには然るべき理由がある」とお伝えしました。

その理由は、まさにこの商標権なのです。
なぜ、商標権があるとロゴで遊べるのかと言いますと、基本的にロゴ商標は「シルエット」での登録となっており、加えて「特徴的な配色」がある場合はその配色も権利の対象になる。ということのようです。(参考

弊社のロゴは、投票で選んでいただいた後、速攻で商標出願をした結果、先日無事に登録されました。
出願が2018年4月、登録が2019年3月なので、約1年掛かりました。

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弊社ロゴは、配色にも特徴があるので、カラーでの登録としました。
これで、シルエットが多少異なっていても、似たような配色の場合は権利侵害を主張することができます。つまり、小手先のズルい寄せ方も許さないという強い権利を獲たことになります。

一方で基本的にはシルエットでの登録となっているため、遊び心的に色々なバリエーションを使うこともできます。そのため、フラットにしたこれも

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色味を変えたこれも

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異なるテクスチャーでも

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こんなんでも

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商標としては利用可能です。シルエットがシンプルだとこういう時に良いですね。
ただし、あまり登録したものと違うものばかりを使っていると、商標権が消失することもあるようなので、あくまでたまに遊ぶ程度に。

ということで、今回はお客様に親しんでもらえるロゴの作り方〜商標登録までのTipsをお届けしました。前提が異なる場合は、このTipsも役に立たない可能性がありますが、何かしらの参考にしていただければ幸いです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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