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私はキレたことがない

私はキレたことがない。おそらく一度も。

この記事のタイトルは、中森明菜「飾りじゃないのよ涙は」の冒頭のフレーズ「私は泣いたことがない」を意識した。

私ってキレたことあるっけ?なくないか?
と考えていたときに、この歌が頭の中で流れたのだ。

(明菜ちゃんのパフォーマンス、格好良いし可愛い。ぜひ観てください。)

アンガーマネジメントという言葉をここ数年よく目にする。

でも、私の場合、そもそもなかなか怒りを感じられない。

私が精神疾患になったきっかけの言葉がある。
新卒2年目の5月、指導役の先輩であるメンターからメールで送られてきた。

「酒井さんは本当に考えない人ですね」

私はただただショックを受け、実家で在宅勤務だったので、親の前で泣き崩れた。
新卒で至らない点は多々あっただろうが、私なりに一生懸命考えて、頑張ってきたつもりだった。
その努力が、このメンターの言葉によって、完全に否定された気持ちになった。
とにかく悲しかった。

母親は、こんな言葉を後輩に送るなんて酷すぎる!と怒っていた。
でも私は怒りは湧かなかった。
悲しくてただひたすら泣いていた。

いまは、後輩にそんなこと言うなんてサイテー!メンターの資格なし!って怒れるようになっている。
でも言われてから1年以上、この言葉をふいに思い出して、ひとり泣き出すことがあった。

酷い言葉ではあるが、なにくそ!と怒りを自分のバネにできる人も、中にはいるのかもしれない。
でも、学生時代まで優しい人に囲まれて生きてきた私にとっては、とにかく辛い言葉だった。


優しい人に囲まれていたのは、本当に人に恵まれていた部分が大きいが、自分とって心地良い、優しそうな人やコミュニティを選べていた部分もある気がする。
自分の苦手な人やコミュニティを避けるのが年齢のわりに上手かったと思う。

苦手な人を避けていた結果なのだろうか、私は喧嘩した記憶がほとんどない。
家族以外と喧嘩した記憶は、保育園に通っていた2歳の時にまで遡る。
苦手な人や嫌いな人はいたが、牽制し合ったり、裏で悪口を言ったりで、相手からは距離をとり、喧嘩はしなかった。

家族(両親と夫)とは、さすがに喧嘩したことはある。
でも、キレたことは、一度もない。
両親に私がキレたことがあるか聞いてみたが、ふたりともないと思うと言っていた。

アンガーマネジメントでは、キレないこと、怒りを爆発させないこと、を重視しているのだと思う。(本を何冊も読んだわけではないので、理解が足りないかもしれない。)

でも、私の場合、そもそもキレることを我慢しているわけではないのだ。
キレるほどの怒りを感じられない。
その場で怒りを感じられるのも、両親や夫とのコミュニケーションに限る気がする。
両親や夫との喧嘩でも、キレるというレベルではなく、せいぜいイライラをぶつける、という程度だと思う。

両親や夫以外とのコミュニケーションの場合は、その場では怒りを感じられない。ショックや悲しみ、もしくはモヤモヤ、という感じ。
怒りが湧いてくるのには時間がかかる。
早くても30分くらい。遅いと年単位。

その場では、怒りの感情が湧いていないので、当然ながら反撃できない。
怒りの感情を伝えるのもすごく苦手なので、誰かに愚痴るだけで、大抵泣き寝入り。

なんだか損してるなぁとは思う。
アンガーマネジメント以前に、怒りが湧くのが遅すぎる。
怒りを適切に感じられるようにすることや、その怒りを伝える練習が必要なのかもしれない。

ただ、私は自分の性格が結構気に入っている。
怒りをなかなか感じられないことや、怒りを伝えられないことで、損している部分はあると思うが、他人を攻撃しないことは悪いことではないと思う。

だから、病院のショートケアで、認知行動療法に取り組み、あなたの今までの性格には、「認知の歪み」があり、修正しなければならない、と言われることが、とても苦しかった。

たしかに内省的すぎて、他責に向かわないのは、ストレスを貯めた一因であると思う。
でも、ストレスを貯めて精神疾患になったのは、私の「認知の歪み」だけが原因なの?私が悪いの??とぐるぐると考えてしまい、よく泣いていた。
(このぐるぐる思考こそ「認知の歪み」なのかもしれないけれど…)

私はいま、診断名はうつ病だが、双極性障害Ⅱ型の可能性もある、と医者から言われている。
感情の波は、大きくなったとは思う。
特に(軽)躁状態では、怒りっぽくなる人も結構いるらしい。イライラ躁とか、易怒性とかいうそうだ。
でも、私はやっぱり滅多に怒らないし、イライラすることも多くない。

さらに、10歳から20歳までの10年間に関しては、「私は泣いたことがない」。
これって精神疾患とか関係なく、かなり珍しい気がする。
悲しくて泣くことも、悔しくて泣くことも、嬉しくて泣くことも、感動して泣くことも、なかったのだ。
かなり穏やかな性格だったと思う。

いまも、感情の波が大きくなったとはいえ、軽躁状態でも「明るい人」「活発な人」というくらいな気がする。
そもそも双極性障害Ⅱ型との診断も受けていないので、軽躁状態かも微妙だ。

軽躁状態かな?と自分で思うのは、おしゃべりになる、声が大きくなる、大声で笑う、楽天のお買い物マラソンで深夜に日用品を大量購入(1回のみ)、積極的に行動する(新しいコミュニティに入る、旅に出る)、4時間未満の睡眠時間でも気分がいい・外出できる、など。

うつ状態では、動けなくなるという症状が大きい。
布団から中々起きれない、お風呂・シャワーに入れない、外出できない、など。

感情面では、不安になったり、悲しくなったりすることは多めで、よく泣く。元々心配性なことが関係していると思う。
でも、希死念慮は2回しか起こったことがない。うつ状態がある人の中では非常に少ないと思う。
健常者とされている人と比べても、少ないほうかもしれない。

感情の波が大きくなったとはいえ、元々感じにくい感情に関しては、やはり感じにくいままのようだ。
精神疾患になっても、私は私だなと思っている。

もちろん、うつ状態で動けないのは辛い。
目指せ寛解!


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