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『タコピーの原罪』読んでみた

タコピーの原罪を読みました。至る所でタイトルが流れてくるので存在は知っていて、無料と聞いてばーっと一気読み。

普段感想どころか漫画すら読まない人間なんですが、なんとなく思うところがあふれてきたので一方的に垂れ流そうと思い立ちました。
ネタバレ含みます。ご注意ください。


私が調べた限りでは多くの方が「鬱展開からの最後に少し報われて結果ハッピーエンドだね。良かったね。」ってなってた気がします。私もその1人。

こんな酷い目にあって、こんな辛い思いをして、耐えて、耐えきれないこともあったけど、生きててくれて良かった!笑顔になって良かった...!

でもふと冷静になると、何が良かったんだろうって気持ちも出てきました。
あれってタコピーがいてもいなくても、結末は同じだったってことですよね。多少しずかとまりなの記憶に違いはあれど。いじめっ子とられっ子が話し合えば解決したってそれだけなんですよね。

少し話は変わりますが、タコピーも全く悪じゃない。なんなら善意の塊なんですよね。それが相手にとってどうかは置いといて。
みんなにハッピーな気持ちになってほしい。自分には助ける力があるはずだ。手を差し伸べるのが1番いい行いに違いない。
でもそれはストーリー全体を通して言えば、必要ない事だったんです。必要ないどころか事態悪化させてましたし。

これはリアル世界にも言えるぞとなりました。
私自身、うつの経験など悩みはあれど世間の中でいえばとても幸福な部類なのだろうとこの漫画を読む前から思っています。
心の病を経験しおそらく乗り越えたので、これからはたくさん世の中に貢献したい!悩める人々を救いたい!という思いがあります。結構将来の夢とかもその思いを軸に成り立っています。

かといって、私はただの人生一周目の若人。この漫画に出てくるような貧困や暴力などを目にしたことすらありません。どんなに相手のことを考え思いやっても、至らぬ点だらけなのです。救えるはずがない。

これは私のうつ時代の考えですが、死ぬのは一般的に良くないものとされています。だから死にたいと呟いただけで周囲に死ぬな!と、生きてればいいことがある!と励まされる。
でもいつか来るであろうどの程度かもわからぬ幸せと今現在の苦しみを天秤にかけてそうなったんだから私にとってはこれがベストの答えなんだよと思っていました。
この世にとどめようとする人達は私を思って言ってくれている。あなた方の幸せを押し付けるけど、私の幸せはもっと違うところにあるんだよ。あなた方の幸せを守ることで私は今苦しむんだよ。

そういう意味で人類は皆タコピーです。ハッピー星のハッピー星人。自分にとってのハッピー道具でみんなを救おうとしますが、違う星の人間にはただのガラクタ。
いてもいなくても地球は回る。

それでも生きているし、誰かのために何かしたくなる。生きてる限りは楽な方を、心地よい方を、幸せな方を皆望んでいます。それを知ってるから、この世に1人でも助けられる人がいると信じて生きています。

この矛盾やジレンマや、それにまつわる葛藤を忘れさせない作品だなと思いました。
読めて良かった。それだけは言えるのかな。

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