【ただの日記】東京に雪
家のリビングで冷凍の唐揚げと卵かけご飯を食べていた。
そんな休日の真っ昼間。
ふと外を見ると、白くてふわふわしたものが上から降ってきていた。
「あ、雪だ」
僕は東京では見れない珍しい光景に心を躍らせた。
ここ数年間、東京に雪が降ったことは少なからずあったが、夜中に降ることが多く、昼間に降り始めた雪はめっちゃ珍しかった。
すぐ止んでしまうのだろうと思いながら、僕は傘をさして外出した。
コンクリートや鉄のガードレールなど、外に存在する全ての無機質な人工物が白一色に塗り替えられ、幻想的で美しい景色に早変わりしていた。
茶色の木々も、緑色の葉っぱも、甘い粉砂糖のようなパウダーがトッピングされ、多くの日常では見れない姿を見せていた。
また市街地では、子供たちがただでさえ少ない雪を無理無理かき集めて雪合戦をしていた。一つの雪玉を作るのも大変そうである。
ちなみに東京の雪は水分量が多いのか、ベチャッとしているため、雪玉も必然的に硬くなる。僕が小学生の時に、鼻に雪を食らって白い雪を赤で染めたこともあったほどだ。東京の雪で行われる雪合戦は結構痛くてシビアなのである。
その子供たちも、割と容赦なく、そのカチカチに固まった鉄のような雪玉を全力で投げあっていた。
鼻血を出したら呼んでくれと思いながら、通り過ぎようとした時、子供たちは「かまくら作ろう!」と張り切りだしていた。
無性に羨ましく思った。
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