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家でも出来る絵画トレーニング

こんにちは!
今日は自宅でも出来る絵画のトレーニング方法の第一弾です。

実はStudyCollectというサービスの中で、毎週僕が絵画のレッスンをしているのですが、お手本で描いたものとかをPebyCollegeの西巣鴨キャンパスに飾っているんですね。それを見た保護者の方から、自身が学校でやった図工や美術は技術を教えてくれる訳ではなく、ただ楽しんで描く、作るだけだったという話がありました。僕が子どもの頃の図工や美術の授業も、確かに同じく「教わっている」という感覚はあまりありませんでした。今は小学校でも図工に力を入れている学校も増えてきたので、少しずつ変わってきているのかなとも思います。
で、この保護者さんは自身の経験故に、絵画を習い事の一つとして意識していなかったんですね。手順やテクニックを伝えるだけで、実は子どもの絵は飛躍的に上手くなります。というよりは、上手く見えるようになります。
では、上手な絵ってどんな絵なのか?そこについて考えていきましょう。

【上手いと言われる絵には決まりがある!】

さて、下の画像を見て下さい。
2つのリンゴが描いてあります。

画像1

同じぐらいの技量で塗ってありますが、違いは一目瞭然だと思います。
多くの方は、右側のリンゴの方が上手に描けていると感じると思います。それは何故か?
言うまでもなく、形ですよね。右側のリンゴの形は、多くの方が認識しているリンゴの形になっていると思います。もちろん、スーパーへ行ったら全部この形という訳ではありません。生活していく中で、様々なリンゴを目にしていき、その理想的な形がこのような形として認識されていきます。
これはリンゴに限った話では無く、人は脳内で様々な物を見ていく中で、特に自然物においては「こういう形だ」「こうあるべきだ」というイメージが形成されていきます。それ故に起きる現象です。

という訳で、絵が上手に見える1つ目のポイントは『形』です。

では、それを踏まえて次の画像を見てみて下さい。
同じく2つのリンゴが描かれています。

画像2

さて、今度は「どちらが上手か」では無く「どちらが美味しそうか」で見比べてみて下さい。
圧倒的に左のリンゴを選ぶ人が多いはずです。言うまでもない事ですが、色彩の効果によるものです。右側のリンゴはリンゴの色として認識しづらく、傷んだ印象であったり、美味しくなさそうという印象を与えてしまう可能性が高いです。実は形と同様に色彩についても人の脳には蓄積された情報を元に、「こういう色であるべきだ」というイメージがあるんですね。
2つ目のポイントは『色彩』です。

ただ、上記の二つの画像で選択されない方の絵が悪いかと言ったら、決してそういう訳ではありません。丸っこくて可愛いリンゴを描きたい人もいれば、ちょっと渋い雰囲気を出したくて茶色いリンゴを描く人もいます。絵の雰囲気に合わせて形や色を変えるのはとても大切な事なので、子どもが全然違う色で描いたりしても否定はせずに、どんなイメージで描いたのか聞いてあげて下さい。
ここで紹介した「上手く見えるポイント」はあくまでも一般論であって全てではありません。

肝心のトレーニング方法についてですが、まずは形についてから。
物の形をしっかり捉え、描けるようになるには「数をこなすこと」が一番有効です。立派な画用紙なんて用意しなくて大丈夫です。安く買えるペラペラな紙の落書き帳を用意して、ご飯のために買った食材の残りでもなんでも大丈夫なので、『見て描く』ということをさせてあげて下さい。
子どもの絵の多くは『想像して描く』ですが、物を見ながら描くことでどんどん形の重要性を理解できるようになっていきます。

次に色彩能力を高めるためには、もちろん形と同じように物の色を見ながら色を付けることも大事ですが、一番大事なのは『色を混ぜる』ということ!
これは絵の具でもクレヨンでも色鉛筆でも、なんでも一緒です。混ぜたらどんな色になるかをとにかく実験させてあげて下さい。この混色を様々な色で試していくことで、微妙な色の違いも認識できるようになっていきます。
混ぜすぎて濁った色の絵ばっかりになってしまうという現象は起きますが、一時的です。次第に絵の中に鮮やかな色が生まれ始め、画面にメリハリがつくようになっていきます。

絵を描く上で一番大切なのは「目」だと言われています。形や色を正確に認識する能力が高まっていくと、次第に「上手な絵」が描けるようになっていきます。
親目線だと、どうしても本来と違う形や色で描かれていると直すように言いたくなりますが、そこはグッと堪えて「もっとやっちゃえ〜!」と言っちゃうぐらい、大らかに見守ってあげて下さい^^

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