見出し画像

窓口_一般_通常

20240717-18

そんなわけで東京に行ってきた。
夜行バスに乗ったのはそれこそ5年ぶりくらいで、東京駅の駐車場に降り立った時はさすがに体が痛かった。東京という都市の顔つきが5年かけて変化しているように、私も5年分歳を取っている。


適当なところに腰かけて持参したおにぎりを食べ、上野へ移動。東京都美術館でデ・キリコ展を見る。購入した当日券には「窓口_一般_通常」と書いてあった。アンダーバーといえば、何となく雑につけたファイル名とかアカウント名とか、プライベートなアルファベットの文字列に挿入されているイメージがあるので、公的な紙切れに堂々と書いてあるのが面白い。
展示はすごくよかった。自分のスタイルを確立しながらも、さらにいろいろなものを吸収して取り入れ、挑んでいくこと。絵そのものが素晴らしいのももちろんだが、なによりも、人が人生の中でなにかを達成する、何かを自分の手でつかみ取るということがとても素晴らしいのだと思う。
自分は何かをつかみ取れるだろうか。

少し時間をずらしてゆっくりお昼にしようと思っていたが、歩いたらおなかが空いたので神保町のボンディに行く。チキンカレーの中辛を食べる。並んで待ったが、味わいが深くてとても美味しかった。神保町ブックセンターをぶらっと見て、渋谷へ移動。古賀及子さんの「私が愛するあなたの凡庸のすべて」がどうしても買いたくて、SPBS本店へ行った。そこからさらに新宿へ移動、Xで知って気になっていたサカナブックスへ行く。大量の汗をかきながら坂をのぼっていると、道端に「暗坂」の標識が立っていた。くらやみざか。昔は木々がうっそうとしていて昼でも暗かったから、とのことだが、こうも暑いと多少暗くても木が茂っていたほうが良かったのでは…という気もしてしまう。危ないからだめか。
サカナブックスは海や魚介類の本がたくさんあり、とても面白かった。併設されている釣り具の資料館も良い。
日も暮れてきたので銀座へ移動。観音山フルーツパーラーで桃のパフェを食べる。少しのんびり涼ませてもらって、開店時間内に間に合いそうだったので月光荘へ向かう。高校で油絵を描いていた時、ここのオイルがどうにも良くてしばらく使っていたのだった。ためしで使わせてもらった透明水彩の発色がものすごく良い。絵を描く道具はいいなあ。買い物をして、すぐそばの資生堂ギャラリーで展示「オドル ココロ」を見る。どの製品もデザインがとてもいい。母が昔気に入っていたという香水「モア」が展示されていたので、写真を送ってあげたらものすごく喜んでいた。帰りにパーラーでお土産にプリンを買う。ひとつだけぽろっと買ったのだけれど、なんと「贈り物でしたら、リボンをおかけしましょうか」と言っていただき、恐縮しながらお願いする。ちまっとしたプリンの箱に、美しい青いリボンがかけられて差し出される。これが老舗…!
松坂屋の地下でお土産を買って、伊東屋を見る。そろそろ新宿まで移動するかーと思って銀座駅まで歩いていたつもりが、どこをどう間違ったか東京駅に着いた。さらに疲れていたためかなぜか中央線の改札がうまく探せず、結局予定よりもわりと遅れて新宿に着く。駅周辺で簡単に時間を調整して、再び深夜バスで岩手まで帰ってきた。


20240719

バスから降りて、車を停めていた有料駐車場へ。16日の夜中から停めて、会計は1200円だった。安すぎる。湿気はあるが雨は降っていなかったので、窓を開けて運転する。緑が多いなあ。盛岡もそれなりに暑い地域だけれど、東京の暑さと質が違うのは、たぶんコンクリートの量の差というか、緑が圧倒的に多いからだろう。
しばし運転して無事帰宅。ねこを思う存分なでまくって、家族にお土産をわたし、シャワーを思いっきり浴びてから東京の話をたくさん聞かせる。昨日の盛岡の話も聞く。こちらもかなり暑かったようだ。その後しばらく仮眠を取って、起きるころには、汗をぐっしょりかいていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?