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真の男になるために


こんばんは。
コインランドリーで洗濯物を乾かした。あいかわらず一歩外に出れば秒で冷え冷えになってしまうけれど。ドアを開けて取り出すときの、ほっこほこになった洗濯物があたたかくてうれしくて、乾燥機の中に入りたい衝動に駆られるのって私だけではないと思う。人によっては窮屈かもしれないけれど、自分は体育座りしたら転がれるくらいにはちょうどよさげなスペース。に見える。


乾燥を待ちながら20分読書する。村上春樹さんのエッセイの中でアーネスト・ヘミングウェイの言葉が引用されていて、申し訳ないがちょっと笑ってしまった。


「人が真の男になるためには、四つのことを成し遂げなくてはならない。木を植える、闘牛をする、本を書く、そして息子をつくることだ」


なんだそうです。
闘牛が出てきたのでスペインの人かと思ったらアメリカ人だった。これが思い込みというものです。むかし、勤務先にアルバイトの男子学生がいて、素直で働き者でかんじがよくて「俺、おとなの男になりたいんすよ!」が口グセだった。彼の熱い想いを聞くたびに、おとなの男はおとなの男になりたいとは言わないだろなぁ、と、毎度よぎったことは墓場まで持っていく。


四つともそれぞれにすばらしいことだと思う。けれど、たとえば友人知人の男性から、上記のことを成し遂げたので自分は真の男だ、などともし言われたら「オイ起きろっ!!」と、はっきりと目を覚ましている男性の両肩を激しく揺さぶりながら言ってしまう自信しかないのが情けない。大人の女はたぶんこういうことはしない。


しかしそれでいて、男の人が思い描く“真の男”は女も気になるものだし、“真の男”があるならば、その対極にあるだろう“偽物の男”も存在するはずで、じつはそちらのほうがより興味深い。男にとっての偽りの男とは。女にとってのそれも然り。












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