日常生活でも仕事でも気遣いより効率を優先させよう。
今回は「私だったら」という視点で、日常生活の中でのムダについて考えてみます。
まず我が家のことを例にお話しします。
私の嫁さんは家事は何でも自分でやります。私が家でヒマしてても家事を手伝えとは言いません。
私が勝手に間食を食べようと冷蔵庫を覗いていても「私が用意する」と言って配膳してくれます。
私が寝坊して朝シャワーが遅れ、着替えが遅れても洗濯を待っていてくれます。
言っておきますけど、私はDV夫でも亭主関白でもないですよ。人にあれこれ指示するのは嫌いな方ですし、自分のことは自分でしたい方です。
人がやったことにはケチもつけませんし、家事と仕事の線引きをするつもりもありません。
嫁さんは逆に家のことは何でもやりたい人なんでしょうね。「そういうことはやらなくていい」って何度言っても聞き入れてくれません。
でも今回言いたいのはそういう役割分担のことではないのです。
主婦(主夫)が家事を何でもやることのムダ
冷蔵庫の前にいる私ではなく、リビングにいる嫁さんが配膳をすることは単純に「ムダ」な手間を生み出しています。
休日に私がゴロゴロしている時、私が車でスーパーまで送り迎えせず、嫁さんが自転車で買い物に行くのは時間と労力のムダです。
私の着替えが遅い時「もうあんたの分は今日洗濯しないからね!」と言わず、朝シャワーが終わるまでじっと待っているのは作業効率のムダです。
(私が着替えを遅らせるのが一番悪いのですが…)
献身的に尽くしてくれるのはうれしいのですが、私ならこう考えます。
「こんなムダな時間と労力を使うくらいなら、自分のために使えばいいのに」
「自分自身の幸せのために努力しないのは趣味も興味もないつまらない人なのかな」
「これだけムダなことに無頓着なのであれば、家計を任せられないかもしれない」
(実際嫁さんは家計簿は付けていますが、支出を丹念に書き留めているだけで例えば「『食費』が今月総額いくらか」とかは把握していません。)
こうした発想は私が決して猜疑心が強いからではなく、おそらく普通に持っているべき感覚なのではないかと思います。
ちなみに私たち夫婦は会話好きなので、私が思ったことは忌憚なく話しています。
まあ、夫婦間の価値観はいろいろでもいいかもしれません。ですが仕事の場面となるとそうはいきません。
目上を気遣うことに潜むムダ
私が上司で、部下と一緒に何か物を運ぶとかの作業をするとします。この作業はとにかく早く終わらせた方がいい内容で、その作業に部下の経験や成長を期待するような種類のものではないとします。
部下が作業は自分でやると言い、私は休んでてくれるよう言ったとしましょう。
また別の場面では、それほど急ぎではない案件でメールで済む内容をわざわざ口頭で報告しようとして、私が出張から帰るまで待って直接報告してくれたとしましょう。
またある時は私へのプレゼンのために賑やかなデザインのパワポ資料を何十ページも用意したとします。
ですがエビデンス強化のために陳列されたグラフの他はイラストばかりで、説明はほぼ口頭。平易な言葉ですが動機に乏しく、視覚情報ばかりなので読み込む必要が無く、実際事前の資料配布が無かったとしましょう。
私はこの部下をムダに無頓着な性格と見なすでしょう。私が見ていないところでも多くのムダをその部下は生み出しているだろうからです。
ある程度までは注意や指導はしますが、もし改まらければコストにシビアでなければならないような仕事は任せられません。
ムダなことが平気な人とは
要は気遣いを優先させてムダに気付かない人はムダなことが平気な人だということです。
そうでない人ならばムダなことが嫌で嫌でたまらないはずなのです。
もちろん全ての会社員がムダ撲滅に邁進しなければならないわけではありません。ある程度の「ユルさ」というものが無いと組織は息苦しくなってしまいます。
大切なのは気遣いのためにムダなことをしてしまう癖、または習慣というものです。これが横行するとムダは際限なく広がってしまいます。
逆にやたらとムダ撲滅をやろうとすると、多くの場合必要なものまで削ってしまったり必要なことがやりづらいムードが生まれ、新たな試みが生まれにくい組織になってしまいます。
ムダに無頓着でいられるわけは「ムダなこと」と「必要なこと」の区別がつけれていないことだと思います。
でも実際にはこの区別がつけれている人はかなり少ないのではないでしょうか。
人には立場があり、役割がありますから、何でも手っ取り早くやればいいというものでもないとは思います。
ですが現代のように物事のルールや作法、常識、発想が凝り固まってしまった状態では、一度根本から「これで正解なのかな」と考えてみてもいいのではないかと思います。
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