自治体システム標準化を考える

私は自治体業務標準化対応20業務の内、
とあるイチシステムの営業をしています。
現在国より機能・帳票要件が随時公開され2025年末までの対応が
各社本格的に動き出してきたと感じます。

今回は現場で動いているイチ担当者として記事を書いていきます。

■そもそも自治体標準化とは何か
自治体が使用している住民記録システムはPKGシステムを導入していることが多いですが、基本なにかしらのカスタマイズを行っています。
カスタマイズをおこなっていることで、
・法改正が発生した場合、カスタマイズが影響し改修費用が高額になるケースがある
・他市と運用が異なることで共同利用が出来ない(調整に時間がかかる)
等が現実問題発生してます。

この費用面、運用面を平準化する目的で自治体標準化対応に向けた取り組みが令和2年に閣議決定されました。
現在令和7年度中に向けて国が自治体標準化システムの仕様作成を行っており、各企業はその仕様に沿ったシステム開発を着々と準備している段階にあります。

さて、いち担当者の意見から標準化対応がいいかどうかと言われると100%Noです。
※既に国の事業として始まっているため、進めるしかありませんが
 意見なので自身に従って書いていきます
 
1.仕様提示
 現在機能要件、帳票要件については随時公開されていますが連携要件やガバメントクラウドの仕様等は
 はっきりと公開されていません。
 最短令和6年度導入を想定した場合、あと1年しかない中で標準化システムを開発するというのは困難だと言わざるを得ません。
 
2.費用面
 国は今回の標準化対応を機に現在の費用から3割削減を目標としています。
 私含めたみんなの税金を使っているからこそ費用削減の目標自体は理解していますが、この事業を生業としている会社も多数あり、3割が妥当なのかどうか判断出来ません。
 
3.運用面
 ここが一番重要です。今回の自治体標準化では運用面から機能要件を確定しています。
 前段で書いた通り、自治体システムはその自治体用に開発されたシステムがほとんどなため、運用を統一することが出来るのか非常に危惧しています。
 現在自治体側ではFit&Gapを行ってます。
 これは国が定めた標準仕様について、
 ・既存システムと国標準の機能が合致しているか(Fit)
 ・合致していない場合どうするか(Gap)
 を行うものとなっています。
 今後Fit&Gapが進むことで自治体側が標準仕様システムで業務が出来るかどうかが来年度までに分かることだと思います。
 
4.導入時期
 標準仕様システムの導入については令和6、7年度の2か年計画になっています。
 対象となる自治体は1000団体を超えており、極論1日に1団体以上システム入替をしていかなければ対応することは出来ません。
 システム開発に加えて導入時期も調整していくとなると2年で1000団体を導入出来るのかどうか、現状の考えでは不可能だと思います。
 

ただただ言いたいことだけを記載しましたが、私自身標準対応自体は各自治体がシステム導入する時代で行うものでありガラパゴス化しているものをあえて今する必要があるのかが率直な感想です。
ですが法律で決められた以上、やる以外に選択肢はありません。
まずは各メンバーとも話し合い、考えどのように対応出来るかその日が来るまで考え抜きたいと思います。

参考記事
総務省
自治体情報システムの標準化・共通化
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/chiho/jichitaijoho_system/index.html

デジタル庁
地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化
https://www.digital.go.jp/policies/local_governments/

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