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「人生100年時代をデザインする」という本

 私は30代の後半から40代の初めにかけて、札幌で暮らしていたのですが、当時、建築と都市デザインの事務所で、ちょっと仕事をしていました。私の役目は、まちづくりのニュースを作ったり、都市景観のレポートを書いたり。なかなかユニークな事務所で、楽しい数年間でした。
 その事務所でお世話になった石塚雅明さんという建築家が、このたび本を出しました。それが「人生100年時代をデザインする」です。上の写真は石塚さんのサイトから拝借しました。
 石塚さんは数年前に、あえて自分の事務所を早めにスタッフに譲り、札幌郊外に1500坪もの荒地を買って、家を建てました。なにせ広大な荒地なので、暮らし始めてからも敷地の整備は続き、池を掘ったり、自分で切った木で器を作ったり。やはり建築家の夫人と2人で、とてもステキに暮らしています。札幌だから、どっさり雪は積もるけれど、白銀の世界からの四季折々の変化も、劇的で楽しいし。
 「人生100年時代をデザインする」は、その経験談を綴った本です。それも老後のハウツー本ではなく、エッセイなのです。だから「こんな生活、してみたいなー」と、ほんわか夢をみながら楽しく読めます。それに「老後」ではなくて、あえて新しい人生に踏み出すという考え方が、基本になっています。
 「人生100年時代をデザインする」は発売後、Amazonの本の総合ランキングで783位に躍り出ました。自伝・伝記部門では17位! これは快挙で、今も、けっこう上位をキープしており、オススメ本です。

 私は48歳で作家デビューして、そこから、ずいぶん暮らしが変わったけれど、石塚さんの場合、それが20年ばかり後になっただけで、同じような転身ではないかと思います。
 それとは別の話なのですが、私は20代のころは婦人画報社に勤めていました。つい最近、そのOB・OG会があったので、出かけてみたところ、飯田美代子さんという先輩と久しぶりに再会。彼女は婦人画報社を辞めてから、和装ブライダルの雑誌を作ったりしていましたが、93歳になった今は「超高齢インフルエンサー」になっていました。
 魚の食べ方とかの動画を配信しているのだけれど、なんとフォロワーが11万人! 中途半端な年齢の人が、訳知り顔でうんちくをたれていたら、ちょっと反感を買うかもしれないけれど、93歳にもなると、おのずから「承ります」という気分になってしまいます。年齢を強みにしちゃうって、すごいなーと感心しきり。
 歳を重ねれば、だれでもできないことが増えていくのは当然だけれど、やっぱり「人生100年時代」を考えなきゃなと思う昨今であります。

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