自分が主役の日

月替わりのタイミング

所謂月初はやることが多い

請求関連の業務
店舗の棚卸業務の管理
先方への催促や、経費精算などなど

いわゆる
やりたくない業務が盛りだくさんだ

これらの業務は非常に憂鬱で
毎月頭が痛くなる。

そういえば昔、ストレスを抱えすぎて円形脱毛症になったことがある。
ちょうど２年前自分の結婚式の日だった。

朝自宅で髪の毛をセットしていると
ちょうど前髪の生え際の部分が丸くハゲていた。

僕はびっくりした。
なぜなら前日に髪を切りに理髪店にいった際はなかったからだ。
今までの人生で経験したことのないイレギュラーに
僕は激しく動揺した。

なんとか。。なんとか隠さなきゃ。。
僕は額に汗をかきながら必死にワックスで前髪を固め隠そうとした。

しかしどうやってもうまく隠れない。
このままでは円形に脱毛した新郎がご参列の皆さんのカメラに写ってしまう。

それはなんとしても避けなければ！！

逆転の発想で前髪を下すと逆にハゲた部分が目立つので
上げることによって、髪がない部分に周りの髪をかぶせた。

おお、なんとかうまく隠れた。。(ほっ)

その後僕はドキドキしながら式場に向かった。
まさか人生でもめったに訪れない自分が主役の日にハゲるなんて。。

念のため出発前にどの角度だとハゲて見えるかを確認したところ
少しうつむくと若干怪しかった。

うつむかなければ大丈夫。
そう意識しながら式に臨んだ。

幸いにも神前式だったため親族の参加のみ。
その上撮影をする人もほぼいなかったので事なきを得た。

しかし問題は披露宴だ。

披露宴は否応なしに僕にカメラが向けられる。

パシャッ、パシャッ

動画を撮っている人もいる。

僕は円形にハゲている額に汗をかきながら、必死にばれないよう
少し顔の角度を上向きにしていた。

大丈夫、朝のセットは完璧だったし、顔の角度も問題ない

つまりバレるはずはない。

そう思いながら、自分に向けられたカメラに笑顔を振りまいた。

しかしここで思わぬアクシデントが。
友人の余興があまりにも素晴らしく涙が出てきてしまったのだ。

その際条件反射で斜め下にうつむいてしまった。

しまった！！今この瞬間を写真に撮られたら。。！！

パシャパシャ！！

式場のカメラマンがこれ見よがしにカメラの光を浴びせてくる。

やめろおおお！やめてくれえええ！！

しかし泣いているので強制的に下を向いている状態。
僕は必死に顔を上げようとしたがそれはかなわなかった。

健闘もむなしく、大量の写真を撮られてしまった。

終わった。。

その後、式は滞りなく終了し後日当日の写真がきた。

見返すとほとんどの写真ではハゲている箇所は見えなかったが、
泣いている写真では割とくっきりと確認できた。

妻にその写真を見せると

げーはーげーはー！！

と笑っていた。

完