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年齢を切り口に考える会話メソッド〜戦隊モノ編〜

ポップアップ喫茶をやると、カウンターで初対面のお客様とお話しすることも多い。

お客様によってお話の内容は様々だが、基本的に年齢の話はしない。

単純に私が他人の年齢というものに興味が無いということもあるが、年齢を聞いたところで「えーお若く見えるー」とか「えー、じゃあ干支一緒ですねー」とか、大して盛り上がらないところにしか着地しないと思っているからだ。

もし同い年とかなら盛り上がるきっかけにもなるかもしれないが、そんなことは滅多に無いし、むしろ、年齢の話が愉快でない人も多い。

リスクの大きさに対して、リターンが小さい。

だが、唯一、その例外のパターンがある。

それは、「この人、(アキバカルチャー的な意味で)ヲタクかもしれない」と思ったときである。


アキバカルチャー的ヲタクとは

さて、まずアキバカルチャー的な意味のヲタクということについて解説すると、2004年に書籍『電車男』がヒットして以降、「ヲタク(もしくはオタク)」という言葉は急速に社会に浸透した。

当初はある程度マイナスイメージを伴っていた言葉だったが、近年ではむしろ“その道を極めた専門家”といったプラスのイメージを伴うことも増えてきた。
例えば、ワインヲタク・アンティークヲタク、と言うとオシャレな感じさえ漂う。

しかし、狭義のヲタク、つまり2004年当初のオーセンティックなヲタクの定義は“アニメや漫画・特撮やメイドなど、秋葉原を中心に拡大したサブカルチャーの特定のジャンルに精通した人間”というものだ。

ここでは、『アニメやゲーム・特撮やメイドなど、秋葉原を中心に拡大したサブカルチャー』のことを“アキバカルチャー”と、やや乱暴ながら総称している。

なぜ年齢の話が有効なのか

では、なぜ相手がアキバカルチャー的な意味でヲタクだった場合、年齢の話をするのか。
会話例を挙げよう。

私「じゃあ、今何歳なの?」

相手「僕は今年で30歳だよ〜」

私「じゃあ、カクレンジャーとか観てた?」

相手「おしい。オーレンジャー観てた。」

私「オーレンジャー!さとう珠緒か!」

相手「そうそう!よく知ってるね!」

私「オーブロッカーがカッコいいよね」

相手「めっちゃわかる」

お分かりいただけるだろうか。
会話の最後ではもはやマブダチである。
(※尚、実話である)

この会話に登場する『カクレンジャー』とか『オーレンジャー』とは、日曜の朝にテレビでやっている所謂“戦隊モノ”のヒーローのことである。

距離を縮めるにはお互いの共通の話題が有効、なんて言うまでもないことだが、そもそも共通の話題を見つけることが難しい。

しかし、基本的に戦隊モノは1年単位、アニメは3ヶ月単位で番組が変わる。
ゲームならシリーズものは数年単位での発売だろう。

つまり、相手がヲタクならば、年齢が特定できた段階で、ある程度共通の話題が絞り込めるということだ。

“戦隊モノ”の有用性

しかしながら、親しく無い間柄でヲタクジャンルの特定は非常に困難だ。
(ヲタクは「この人はヲタクかもしれない」という同族検知能力は高いため、相手がヲタクであるというところまでは特定できる)

そこでオススメしたいのは、“戦隊モノ”から話を膨らませる方法だ。

戦隊モノの話をするメリットは3つある

・1979年から2020年に至るまで途切れることなく放送が続いている
→相手の年代を問わない

・幼少期に観ていることが多い
→たとえ詳しくなくとも「懐かしい!」と盛り上がる可能性が高い

・同時期の他番組の話に展開できる
→同じく日曜朝に放送していたおジャ魔女どれみや明日のナージャの話に広げたり、カラオケで『おジャ魔女ドッカ〜ン!』を歌って盛り上げることができる

つまり、戦隊モノの話を投げ掛ければどこかヒットする上に、そこからいくらでも話を盛り上げることが可能ということだ。

注意点

当然ながら、この方法は相手がヲタクでなければ使えない。
また会話例を挙げよう。

私「えっ、先輩僕より歳ひとつ下なんですね。ガオレンジャーとか観てました?」

相手「いや、観てなかったな。サッカーしてた」

私「サッカー…」

お分かりいただけるだろうか。
会話の最後の私は瀕死である。
(※尚、実話である。飲食業では“年下の先輩”はよくある)

また、女性には殆ど効果が無いことが多いということも留意していただきたい。

結論

以上のことから、相手がヲタクの場合、年齢の話から戦隊モノの話に展開することで盛り上がる可能性が高いと考える。

しかしながら、会話において重要なのはコミュニケーションである。

共通の話題が見つかったからといって一方的に話しすぎては意味が無い。

また、年齢の話も人によっては愉快に思わない人もいる、デリケートな話題であるということも気を付けたい。

ヲタクには年齢も性別も関係ない。
ただそこに愛があればいいのだ。

ちなみに私はタイムレンジャーとゴーバスターズが好きです。

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