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深まる謎 ~続・ミスターX~

着信相手はつきとめた。
知らぬ相手ではないが、つきあいは無い。
もちろん電話で話すほどの仲でもない。
大体、番号を知っていること自体が不思議でミステリーだ。

あ。送った時の”ゆうパック”かい?
書いた、書いた。書いたで、自分の電話番号を。

はははは。
てして種は自分でくものだ。
痕跡を残さず立ち去る犯人はまれである。

駄菓子菓子、モンダイは
なぜ掛けてきたのかというその一点にある。
修理の依頼はすべてLINEで行っていた。
最終の見積りについても合意済みである。

もう、話すことは無い。
そもそも話したことも、無い。
話の通じる者どうし、トーク数回、
文字のやり取りだけでアッサリ完結。
便利よね、公式LINEアカウントって。

あとは完成を待ち、振込みが残っているだけだ。

なのに、なぜ。
なぜゆえ電話があったのだらう。

ハッ…!もしかして壊しちゃったの?
修理が終わった途端にトイレに落とし…た…?
もしくは洗濯機でまわしちゃったとか?
どんだけ生活密着型の時計職人やねん。

いやでも修理屋やねんから直せるやんな、壊したとしても。

ほな、一体、なんの電話やったんや。
なんで、なんで…電話をかけてきたのだ…!
LINEの音声通話ではなく、携帯番号になぜゆえに…!

そこか。

そこや。


脚本で韓国デビューを目指す会社員です! もし、アタイをサポートしてくれはるのなら…あなたのおはようからおやすみまで笑いで見つめるライオンと化します(ガオー)