お〜いお茶を飲むとき人知れず思い出すこと
中学2年か3年の夏休みに、お〜いお茶の俳句を3句以上考えるという宿題が出た。
提出したものは先生がまとめて応募するらしく、それ専用の用紙が配られた。
ハッキリ言って、私の義務教育期間史上、ダントツで楽勝な宿題だったと思う。
宿題は溜め込むタイプだったので、二学期初日の朝、バスのひとり席でちょうど3つ書いて提出した。
したら、入選した。
と、すっかり忘れていた頃に先生から告げられた。
たしか佳作だったのでボトルには載らなかったけど、学年でただひとり入選してしまったのだ。
何書いたっけ?ぐらいの思い入れだったので驚いたのと同時に、何か図書カードとかもらえたりすんのかな〜と邪な気持ちが働いた。(もらえなかった)
その後しばらくして、学年集会で学年主任から急に名前を呼ばれた。
成績は下から5番目くらいで遅刻魔の私は、絶対に怒られると思い込んで渾身の猛反省顔で立ち上がった。
どうやらお〜いお茶の学校に賞状と入選作品が載った冊子が届いたという。
珍しく冷たい呆れた視線ではなく拍手を浴びた。
でも全くありがたくなかった。私は目立ちたくないのだ。
絶対に「どんな句書いたん?」って聞かれそうなので仲の良い人にすら言っていない。
それなのに勝手に大々的に発表されて、「おい!言うな!」という気持ちでいっぱいになった。
しかもそれだけじゃ飽き足らず、学年主任は入選した句を読み始めた。
頭を抱えた。
どんな句を詠んだかまるで覚えてないけど、私としたことが、素行は不真面目なくせに根っこが中途半端に真面目がゆえ、ちゃーーんとした句を読んでしまっていた。
一番恥ずかしい。
人生で初めて、近くの同級生たちから「ヒューヒュー」という分かりやすいからかいを受けた。
顔を真っ赤にしながら奪い去るように症状を受け取って整列のなかに戻ると、前の女子がニヤニヤしながら私の方を振り返り、まっすぐな目で流れるように私の句を詠んできた。
詠むな覚えるなこっち見るな。
中高一貫校だったので、彼女からは高校を卒業するまで急に一句詠まれるという珍しいイジリを受けたのでした。
未だにお〜いお茶を飲むたびに思い出す話。
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