エッセイ:矢口の気まぐれカフェめぐり
プロフィールにがっつり「カフェが好き」と書いておきながら、最近新しいカフェを開拓していないなぁ、と思っていたので、まだ行ったことのないカフェを探すことにした。
先に断っておくが、「気まぐれカフェめぐり」とかいう洒落た(矢口にとってはお洒落なつもり!)タイトルにしているものの、別にカフェめぐりをしたわけではない。くたびれた社会人が、仕事帰りに寄ったカフェで考えたことをだらだら綴っているだけで、素敵なカフェ情報等は特に掲載していない。そこはあらかじめご了承くださいな。
お盆の連休明け、帰りたいなぁと思いながら出勤すると、職場には全然人がいない。どうやら、今日も夏期休暇や年休をとって連休を伸ばしている人がたくさんいるようだった。
じゃあ、今日の午後は新しいカフェを開拓しよう、とふと思いついた。
午前中にできるかぎり仕事を終え、午後は年休をとることを上司に伝える。以前「矢口さん、ちゃんと年休とってくれないと困ります」と注意してきた上司は、「はい、しっかり休んでくださいね」と微笑んで言ってくれた。
ここだけ切り取るとホワイト企業感がすごい!!上司としても、ある程度休みをとってくれないと困るんだろうが、普段は休めないくらい仕事があるわけで…。まあ、仕事の愚痴エッセイではないので、仕事の話はまた別の機会に。
本当は1日仕事をするつもりで弁当を持ってきていたので、食べてから職場を出ることにする。そこで、カバンに何も本が入っていないことに気付いた。いつも、電車やちょっとした空き時間に読むための本を持っているのだが、連休中にカバンから出してそのまま忘れてしまったようだ。
カフェや喫茶店には、読書をセットにするのがいちばん素敵だと矢口は勝手に思っている。それも、電子書籍ではなくて、紙の本。これは単なる矢口のこだわりであって、他の人がカフェで何をしていようが何も気にしない。矢口だけの問題。
弁当を食べ終え、職場を出ると、駅前の商店街にある本屋に向かう。読みかけの、家の机の上に置いているのであろうエッセイが恋しい。
しかし、本屋に一歩入ると、頭の中は「何を読もう?」でいっぱいになる。本屋や図書館って、足を踏み入れるだけでわくわくするからすごい。大袈裟でなく、魔法だと思う。
3階の文庫本のゾーンで、「これ」と思う本を探す。今日の矢口の「カフェめぐり」は、本を探すところから始まっている。
エスカレーターのゴウンゴウンという音を聞きながら、気になる本を手にとってみる。最近は遠くに行けないから、旅エッセイとかが良いな、とぼんやり考えながら、一緒にカフェに行く一冊を決めた。
これでようやくカフェ探しが始められる。本屋の隣にある、量が多めなことで有名なチェーン店は満席だし、何度も来ているのでスルー。混んでなくて、初めてでも入りやすそうなところを探しながら商店街を出ると、いきなりあった。良い具合に空いた、落ち着いた雰囲気のカフェ。
コーヒーの良い香りがするけど、あまりにも早く見つかりすぎたので、もう少し歩いて探すことにする。しかし、案外カフェって少ないのである。バーとか居酒屋はあるけど、カフェや喫茶店はなかなか見つからない。お洒落なカフェだと思って近寄ってみると美容院だったりする。
暑いし、疲れてきたので、来た道を戻ってさっき見つけたカフェに入った。
チーズケーキと、カフェラテを注文する。コーヒーはいろいろ種類があったのだけれど、カウンターで注文するタイプの店だったのでちょっと焦ってしまって、いちばん字が大きかったカフェラテを頼んでしまった。こういうときに落ち着いて「グァテマラ」とか言える大人になりたい。
カウンター席で本を開くと、2ページも読み終わらないうちに頼んだものが運ばれてきた。
チーズケーキはしっかり固さがあって、爽やかな味。横に添えられたクリームも甘すぎない。冷たいカフェラテも疲れた身体に染みる。
ふたつ隣に座ったダンディーなおじ様は、アイスコーヒーを飲みながらiPadを操作している。カフェと読書も合うけど、カフェとiPadも素敵だなぁ。持っていたら便利だろうし、お金が貯まったらiPad買おうかな、と大学生の頃から思っているが、結局買わないまま今に至っているのでもうしばらくは買わないと思う。
のんびり読書をしていたが、少しずつ人が増えてきたのでカフェを出て、駅に向かって歩く。明日は、午前中から会議がはいっている。次にゆっくりカフェに行けるのはいつだろう。忙しさのピークになる時期はまだ先なので、わりとすぐかも。
いつものカフェも良いけれど、たまには新しい場所を開拓していきたい。
さて。読みにくい文章でしたが、最後までお付き合いしてくださりありがとうございます。
カフェの話を書くはずが、本の話やらiPadの話やら、あっちこっちに行ってしまう。でも、ぜんぶひっくるめて矢口の「カフェめぐり」なのだ(と、いうことにしよう)。
もし、また良さげなカフェに行ったら書こうかな、とかちょっと考えている。
その時は、もしよければまたお付き合いくださると嬉しいです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?