ドラムの神々に学ぶ 第9回 バーナード・パーディ

世界の名ドラマーを紹介する「ドラムの神々に学ぶ」。第9回はバーナード・パーディです。
重くキレのある演奏で、ソウル、ファンク、R&Bを中心に膨大なセッションに参加したグルーヴ・マスターです。

「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」という言葉があるように、ドラムの神々が残した軌跡を追いかけ、賢者を目指しましょう。

それでは行ってみましょー!


バーナード・パーディのプレイスタイルを簡潔にまとめると…

①ファットな身体から超繊細なタッチ
②グルーヴの秘密は歌うこと
③シグネチャーパターン「パーディ・シャッフル」
④ビートルズのドラムも叩いた?変幻自在のテクニック

ではひとつずつ解説していきましょう。


①ファットな身体から超繊細なタッチ

パーディはぽっちゃりさん。見た目通りのパワーヒットも得意ですが、最も注目すべきは超繊細なタッチ。真偽は分かりませんが、「ゴーストノートは俺が作った」という発言もある程。
肘主動でマッチドグリップを基本としていますが、左手のスティックは逆さにして、チップ側を持っています。ダイナミクスコントロールに長け、表現の幅が非常に広いです。


②グルーヴの秘密は歌うこと

パーディはドラムセミナーも数多くこなしていますが、そこで必ず目にするのが、リズムやフレーズを歌いながら叩く姿です。口で歌えなければ表現出来ないとよく言いますが、パーディはそのお手本をいつも見せてくれます。
そこにプルビートによるタイムと、繊細なタッチが合わさり、極上のグルーヴが生まれます。


③シグネチャーパターン「パーディ・シャッフル」

シャッフルは3連符の中抜き、3連符の2番目の音符を抜いたものですが、そこをスネアのゴーストノートで埋めていくのがパーディ・シャッフル。スピード感が増し、表情が豊かになります。
このパターンに影響を受けたミュージシャンは多く、中でも有名なのがジェフ・ポーカロでしょう。TOTOの「Rosanna」のパターンは、パーディ・シャッフルをパクって作ったとコメントを残しています。


④ビートルズのドラムも叩いた?変幻自在のテクニック

パーディ曰く「俺は人の演奏を真似るのが得意なんだ。ビートルズも初期の何曲は俺が叩いてる。リンゴの真似をしてさ」だそうです。
パーディはビッグマウスと呼ばれることもあり、これも嘘だという説が有力です。しかしビートルズの曲をレコーディングしたという事実は証拠が残っており、後は実際に採用されたかどうかです。
僕も検証した結果、リンゴとは確実にタイムが違う演奏がいくつかありました。「Love Me Do」を演奏したアンディ・ホワイトも何曲か演奏していますが、それとも違うタイムでしたので、やはり本当の話かもしれませんね。
もう半世紀も前のことなのに結論が出ないのですから、パーディの物真似テクニックは素晴らしいとしか言いようがないですね(本当だったらですが)。


以上、バーナード・パーディの紹介でした。いかがでしたか?
バーナード・パーディーに興味が湧いたら、YouTube等でぜひプレイを観てくださいね。
それではまた次回をお楽しみに! お疲れ様でしたー!

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