朧記憶

デリート みんなデリート
美しいだけの思い出たちは
みんな削除してしまえ
私の胸を暖めて そして冷えていった
幻の光たちよ

ここが私の場所
哀しみが漂うこの位置が 現実なの
向こう側に渡るよう 何度も試みてきた
何人もの人が私の手を引いてくれた
闇から光へと 誘ってくれた
でも彼らと同じように見たり聞いたり感じたりすることはどうしてもできなかった
日だまりの中で 笑いながら涙流した
幸福感の代わりに感知したのは
深い劣等感と 罪悪感と 疎外感…
いい加減 自分に嫌気がさした

もういいの
ここで生きていこう
もう何も望み見ないで
もう何も求めないで
この位置付けに納得して 満足して

本当の“私”はいつだって叫んでいる
助けて とか
愛情が欲しい とか
忘れられたくない とか
うるさいぐらいに求めてくる
そんな心の声を無視し続けて
もう一人の自分は抗う
操作を試みる
実に不思議な現象
相反するものが一つの体に存在するの
内部戦争が絶えず起きては
胸の奥を煙臭く荒らす
殺し合いなの お互い命をかけてるの
私はこうして疲れ果てる

くだらないと思う？

そうね
あなたなら思うかもね