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命の灯

死にたいと毎日泣いた
殺してくださいと毎日願った
朝目覚めなければいいと毎夜呟いた
自分を消すための試みは数えきれない


それでも心臓は鼓動をやめてくれないんだよね
知らん顔しているのか
こんな私に対抗しているのか
絶え間なく命をただ灯している

誰かのために生きなさいなんて
言われて育ってきた
今更になって 世界は
自分のために生きろと提案してくる
そういう対極論
振り回されるようで少し面倒だな
まあ今の私にとってはどちらでもいい
自らの義の規準にやられて
泣いて泣いて苦しんでもがいて無駄な時間を過ごさなければ何だっていい

この年になってわかったこと
頭脳という司令塔がぶっ壊れていては
幸福は風を捕まえるみたいに遠いということ
自分次第なんて言葉は当てにならないこと
どんなに努力したって出来ないことはある
そうでなければ障害や病気とは言わない
私が特に難しく感じるのは
喜ぶことと 満ち足りること
私の瓶は底無しだから

効いているのかわからない処方薬に毎日頼らなければならない惨めな立場
もしかしたら自分で作り上げた病気なんじゃないかと思えてきたりすると
ますます生きていてはいけない人間に感じる

それでも心臓は鼓動をやめてくれないんだよね
無気力に過ごす私が
何かを始めるまで待つというのか
絶え間なく命をただ灯している

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